媒体のAIだけでは足りない!?広告効果の最大化には第二のAIが必要
数あるデジタル広告のなかでも、多くの人になじみ深いものがリスティング広告だ。米Google社がリスティング広告を本格展開したのは2000年で、歴史も古い。ネットユーザーであれば、ほとんどの人が広告をクリックしたことがあるはずだ。広告主にとっても、費用対効果が見えやすく顕在層の獲得に強いため、4マス広告や他のネット媒体に比べて安定して強化されてきた。そんな歴史の深い媒体だからこそ、すでに改善のための施策を打ち尽くしたという停滞感を感じている読者は多いのではないだろうか。
リスティング広告全般について、「実は現状よりも高いパフォーマンスを得られる余地があるのです」と指摘するのは、アドフレックス・コミュニケーションズ(以下、アドフレックス)の松岡氏だ。
「リスティング広告の成果を出すには、配信結果を見ながらきめ細かく調整していく運用が必要です。最近は広告プラットフォーム側でも、広告主のゴールに合わせて自動で配信を最適化するなど機能進化が著しいのですが、『自動化機能があるので、何も手を入れない』という企業が増えました。
自動化は大変優れた機能ですが、すべてのケースで最高のパフォーマンスを引き出せるわけではありません。さらに成果を伸ばすには適切な箇所に手を入れる必要があります。多くの広告主は競合他社に対する競争優位性の確保に腐心しています。弊社はクライアント様の競合他社が真似できないレベルまできめ細かくリスティング広告を運用することで、そのご支援をしています」(松岡氏)
アドフレックスは、海外の有益なAIツールを用いたデジタル広告のコンサルティングサービスに強みを持つユニークな企業だ。そんな同社が2021年8月、PPC管理プラットフォーム「Optmyzr(オプティマイザー)」を提供する米Optmyzr社から日本での独占販売権を獲得した。
これにより、「弊社のAIの知見とデジタル広告運用の経験に、Optmyzrが加わることで、運用レベルを世界最高峰に押し上げることができると考えています」と松岡氏はいう。
元Googleのエバンジェリストが開発したPPC管理システム
Optmyzrは、GoogleやYahoo! JAPANなど広告主のデジタル広告を一つのプラットフォームで管理できるPPC管理システムだ。なお、Yahoo! JAPANは今回のアドフレックスとの提携に合わせ、日本独自に対応したものだ。また広告を管理するだけでなく、成果を最大化するAI機能も備えている。
Optmyzr社のCo-founder兼CEOであり、同製品を開発したエンジニアの1人であるFrederick Vallaeys氏は、Google広告の黎明期からそのシステム開発を担ってきた人物だ。
「私はGoogleの広告システムがどう設計されているのか、その設計思想まで深く理解しています。そのためGoogleの広告システムにどういった課題があり、今後どのように改善していくかという戦略も推測できます」(Vallaeys氏)
Googleの広告システムに対する深い理解があるからこそ、広告主が品質スコアや広告ランクを維持するためにはどうすればいいかも熟知しており、その機能をOptmyzrに実装できるわけだ。
またOptmyzrは、Googleの弱点を補完するツールであり、決してGoogleと競合するものではない。Google側もそれを理解しており、両社は良好な関係を築いているという。
「OptmyzrはGoogleのビジネスをより支援し、広告主の成果を最大化するツールだと認められているからこそ、Googleの戦略に合わせて迅速にアップデートを行うことができます」(Vallaeys氏)
アドフレックスでは、広告主の広告運用にこのOptmyzrを活用して、さらなる事業拡大を支援していく考えだ。また、広告主にツールそのものの機能提供をすることもマーケットの反応次第で検討してく予定だ。