Cookieの影響を受けず、Twitter広告で精緻なターゲティングを
MarkeZine編集部(以下、MZ):マイナビ転職がTwitter広告の活用を強化した背景について、教えてください。
米原:昨今のCookieに対する規制の影響もあり、リターゲティング広告をはじめとしたターゲティングが難しくなると考え始めたのが大きな背景です。その中でTwitterはプラットフォーム内で取得したデータをもとにターゲティングを行うため、今後の規制に対しても対応した形で広告配信ができると考え、活用を決めました。
また、Twitterはキーワードターゲティングやハンドルターゲティング(特定アカウントをフォローしている人への配信)などターゲティングの種類も豊富で、特にキーワードターゲティングは直近でツイートしたキーワードをもとに配信できるので、そのリアルタイム性の高さに魅力を感じました。
小椋:補足すると、提案当時マイナビ転職をはじめとした転職サービスに関するTwitter広告は、まだ配信ボリュームがそこまで多くありませんでした。そのため競合する可能性も低く、ユーザー獲得に関するチャンスがとても大きいブルーオーシャンだと思い、提案いたしました。
米原:人材業界と言っても、サービスによって大きく許容CPAが異なります。たとえば、人材紹介サービスの場合は1件の紹介に対して大きな売上が発生するため、ある程度コンバージョン(CV)に対する許容額も高くなります。一方我々のような掲載費をいただくモデルの場合、ユーザー獲得に投資できるコストは限られます。そのため、リスティング広告などの顕在層向けの広告で他のサービスと張り合っているのでは投資対効果が悪いと考えていました。
そのため、リスティング広告やリターゲティング広告などの顕在層向けの広告ではなく、興味・関心を軸にTwitter広告で潜在層へのアプローチを強化しました。
転職潜在層が存在しそうな興味・関心をキーワードに
MZ:では、今回Twitter広告でどのような施策を行ったか教えてください。
米原:モバイルアプリに関わる広告プロダクトは一通り活用しました。最初はあまりターゲティングしない状況での獲得効率を見る目的でデモグラで配信しました。その際は、他媒体並みの結果でした。
その後、キーワードターゲティングを活用して転職関連のキーワードに関心がある人にアプローチし、CVを獲得してきました。また、Twitter広告はクリエイティブで大きくCTRが異なるので、私のほうで様々なテキストを用意し、日々検証しながらCV数を伸ばしてきました。
次に、転職関連のキーワードだけでは配信ボリュームに限界が来たため、広告代理店さんとTwitter Japanの小椋さん、澤田さんと連携し、ビジネスパーソンの関心が高そうな出勤・退勤、在宅勤務、リモートワークに関連したターゲティング広告を展開しました。
小椋:たとえば、出勤・退勤であれば交通情報などに関するキーワード、また遅延情報を発信しているTwitterアカウントのフォロワーへの配信を行ってきました。
また、モバイルアプリ広告の場合、興味・関心をベースに広告配信することが定石となっているため、通勤時間にゲームアプリをプレイするビジネスパーソンを想定し、ゲームに興味・関心がある利用者に対してターゲティングを行いました。