部分最適の「CX」から「BX」へ アクセンチュア インタラクティブのミッション
MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに、自己紹介をお願いできますか?
大塚:私はIMJに20年ほど在籍しており、現在は代表を務めています。デジタルマーケティングという言葉が広く知られるようになる前から、一貫してウェブサイトの制作・運用に携わってきました。また、アクセンチュアグループの中では、オペレーションズという事業領域とアクセンチュア インタラクティブのチーム「RUN(ラン)」のリードを兼務しています。
このRUNというチームのミッションは、データやテクノロジーを活用して、顧客のインサイトを深く知ること。そこで明らかになったインサイトをウェブサイトやアプリなどの形にするところはIMJの役割で、RUNとIMJは常に二人三脚で動いています。
谷道:私は2006年に新卒でIMJに入社し、ウェブ制作ディレクターとして経験を積みました。ターニングポイントとなったのは、某ECサイトの運用受託です。サイト運営から商品の仕入れ、在庫管理、カスタマーサポートとEC事業そのものをお任せいただき、売り上げという形で事業に貢献することができました。その経験が買われて、Marketing Technology Labs.へ異動し、以後10年近くマーケティングアナリティクスの分野におります。
IMJがアクセンチュアグループになった後の2020年に転籍し、現在は大塚から紹介があったRUNに所属しています。
MZ:アクセンチュア インタラクティブは多様な面から企業のビジネスをサポートされていますが、自社のミッションとして「企業のBXの推進」を掲げられています。このBXとはどのような考え方ですか?
大塚:これまで顧客体験といえば「CX(Customer Experience)」が重視されてきました。ですがこれは、ウェブサイト、スマートフォンアプリ、コンタクトセンターといった顧客接点の一部分に特化した「顧客体験の部分最適」だと考えています。
もちろん、CXが重要であることには変わりありませんが、各タッチポイントごとに顧客体験に差が生まれてしまっているのが現状で、こうした分断に顧客は敏感です。
そうではなく、企業全体として一貫性のある顧客体験を提供しなければならない。そこで生まれたのが、企業のビジネス全体を変革する「BX(The Business of Experience)」という考え方です。BXの推進にあたっては、企業のパーパスを変革するところから入り込んでいくこともあります。
長く・深く企業に入り込み、併走していく「RUN」
MZ:ビジネスの根底の部分から問い直すのですね。
大塚:はい、このBXを実現するには、一人ひとりの高い専門性と、各分野のスペシャリストとの協働・コラボレーションが必要です。アクセンチュア インタラクティブには、私たちRUN以外に「Design」「Build」「Communicate」の3つのピラー(組織)があります。多様なケイパビリティを持ったメンバーが集まり、「ワン・アクセンチュア」でBXに挑んでいます。
MZ:今お話に出た4つのピラーの中で、RUNはどのような位置づけになっているのですか?
大塚:まず「Design」は、ビジネスデザインやサービスデザイン、顧客体験そのものを設計するチームです。続いて「Communicate」が生活者とのコミュニケーションを設計します。
そのコミュニケーションの成果についてデータを振り返り、次のアクションを設計するのが我々RUNのチーム。「Build」というチームは、データを蓄積するデータベースやプラットフォームの開発などを担います。
この4つのピラーが融合してプロジェクトを進めていきます。中でもRUNは、最も長く・深く企業の中に入り込み併走していきます。