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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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特集:戦略実行を支える、強いチームの作り方

未経験者4名から始め、2年でABMを実現 ブラザー販売の組織作り

試行錯誤の末に、大型案件の獲得数も増加

――ABMの仕組みが回りだすまで、半年近く様々なチャレンジがあったわけですね。

 きちんとトラッキングできるようになってからは、売上規模などを加味したアプローチができるようになってきましたね。やはり最初から全部できるわけではないので、いかにデータ活用を通じてお客様との接点をつなげ、インサイドセールスを効率的にしていくかを常に意識していました。

 トラッキングデータが蓄積できてからは、既存顧客でも興味関心を持っている方などをホワイトリスト化し、外部での広告配信なども行ってきました。

 また、BtoBマーケティングは営業との連携が重要なので、営業向けに情報を可視化する仕組みを作りました。MAとSFAを連携して、ホットリードにはまだなっていないものの、今後良くなりそうな案件が渡せそうであることを共有するスペースを作りました。そうすることで、営業側もマーケティング部門が良い案件になりそうなリードを育ててくれていると認識できるため、リードを渡した後もきちんとアプローチしてもらえています。

――確かに営業からすると渡されるリードがどのようなものが事前にわかると安心ですね。ABMを取り入れたことで、どのような成果が得られましたか。

 導入前よりも大型案件の獲得率が上昇したのがABMによる一番の成果ですね。また、リードを引き渡してからの営業のモチベーションも非常に高まりました。営業がアプローチしたい企業からお問い合わせが来ているケースもあるので、非常に信頼されるようになっています。

 また、ABMの場合、規模の大きい企業がターゲットとなるので、様々な拠点を持っていることが多いです。そのため、ある地方の拠点から問い合わせがあったら、他の拠点もアプローチできるのではないかと営業に対して情報提供できるようになりました。これにより案件創出額も大きくなっています。

――ちなみに、ABMに取り組んでからは組織の人数に変化はありましたか?

 人数は倍に増えました。人数が増えたことで、貸出機サービスの企画とコンテンツ制作に加え、広告やウェビナーなど新しい施策に関してもチャレンジできるようになりました。また、私たちは展示会も大きな顧客接点なので、その企画運営も行っています。

今後はインサイドセールスの内製化も視野に

――最後に今後、御社のBtoBマーケティングにおける組織体制の展望を教えてください。

 今後はインサイドセールスの内製化を視野に入れています。BtoBマーケティングの場合、デジタル接点のみでは案件獲得は難しく、インサイドセールスによる電話などアナログ接点でのアプローチも重要です。現在はマーケティング部門の中にインサイドセールスの担当がいて、パートナーと一緒に進めていますが新たに独立した組織として立ち上げる、もしくは各事業部の営業部門内にインサイドセールスを配置するといったことも検討したいです。

 また、マーケティングの仕組みだけを整えても案件創出額の増加や大型案件の獲得には限界があります。そのため、営業の活動方法に関してもより効率化できる支援を行っていきたいです。これまでの営業体制だと、どうしても足で稼ぐ意識が強く、データドリブンでは動けていません。データを活用すればより効率的に案件が獲得できることを発信したり、教育したりする取り組みができたらと思っています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/01 16:16 https://markezine.jp/article/detail/36764

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