順調がゆえに生まれた課題を解決するためのABM
――御社はABMを導入していますが、どのような背景から取り組まれたのでしょうか。
ある程度リードのナーチャリングもできるようになり、MAによるメールの配信も順調に進んでいき、申し込みの数はすごく増えたんです。しかし、営業が求める購入検討台数でない規模のものが多く、好調過ぎて私たちがさばききれないくらいの数になってしまいました。また、営業に対しそういった案件をパスしてもあまり喜貸出後の受注の把握ができていませんでした。しかし、改めてそれらのデータを分析したところ、しっかりナーチャリング活動をすれば案件創出につなげることができると気づき、フォローアップの仕組みを整備しました。

――では、どのようにABMが行える組織体制にしていったのでしょうか。
まず、インサイドセールスが必要になると思っていたので、外注でインサイドセールスの仕組みを取り入れてテストをし、仕組みが回ってきたところで営業経験のある人をインサイドセールス担当としてアサインしました。私が営業の経験がなかったため、どのようなリードだとホットかを要件定義するためにも、営業経験のある方を組織に引き入れました。
――インサイドセールスを立ち上げて以降はどのような取り組みを行ったのでしょうか。
まず、ABMを行うためのターゲットリストを作るべく、データベースを整えて企業情報を付与しました。これにより、優先的に対応すべき業種や売上、拠点を確実に把握できるようにしました。そして、トラッキングの履歴を見てスコアリングを行い、ターゲットリストを抽出しました。
しかし、最初はMAに活用できるトラッキングデータもたまっておらず、メールを作成していたのもコンテンツ制作を専門に行っていたメンバーではないので、ABMによるメール配信が上手くいくまで半年近くかかりました。
そのため、それまでのターゲットリストにひたすら電話によるアプローチも行っていました。しかし、担当者のいるタイミングなどもわからないままで電話しても、案件につながらない状況が続き、SQL(Sales Qualified Lead)まで引き上がりませんでした。そのため、売上規模は構わずターゲットとしている業種やホワイトペーパーをダウンロードした企業にアプローチしましたが、導入検討台数が少ないものが多く、時期尚早だということに気づかされました。