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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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顧客起点のビジネスはどう実施する?インバウンドの思想を取り入れた成功事例(AD)

顧客体験の向上でコンバージョン率を最適化 「HubSpotブログ」に学ぶ、Webサイト改善の進め方

「DMAIC」プロセスで施策改善のPDCAを回していく

MZ:その「最もダウンロードしやすいパターンを見つける」というのが最も困難な点だと思うのですが、具体的にどのように進めたのでしょうか?

室橋:これはWebアナリストの小川卓氏が提唱する「DMAIC」プロセスに則って進めました。DMAICとはWebサイトに限らず、分析・改善していくための大きく分けて5つのプロセスで、Define(目標・KPI設計)、Measure(ツール選定/仮説立案)、Analysis(全体分析/施策提案)、Improve(実行施策・振り返り)、Control(改善文化の継続)で構成されています。後半のAnalysis・Improve・Controlがいわゆる改善施策のPDCAになります。

引用元:小川卓氏 資料
引用元:小川卓氏 資料

室橋:実際にこの流れに沿って、オファーを紹介しているダウンロードページの改善を行いました。具体的には、ダウンロードページから申し込みフォームが立ち上がるまでのプロセスが円滑になるとCVRが上がるので、その最適化を行うためにどうすればいいかを考えました。GoogleアナリティクスやヒートマップツールのHotjarを使って検証したところ、問題が3つあることがわかりました。

 1つ目は、ダウンロードボタンがファーストビューに無く、スクロールしないと出てこないという問題です。第2に、ダウンロードコンテンツ(オファー)の中身を見たいという方がいるのに、やはりそこもスクロールしないと見られない状態だったこと。そして最後に、オファーの中身を見るカルーセルまで辿り着ける人はそもそも50%しかいない、という問題です。

室橋:これらの問題を改善するため、LPデザインの改善を行いました。Aパターンは固定CTA(Call To Action)を設置し、スクロールしてもCTAボタンが常に表示されるようしたもの、BパターンはCTAを上部に配置したもの、Cパターンはカルーセルを使ってスクロールすることなく中身の確認やダウンロードを行えるようにしたものです。Cパターンが今回の分析で導き出した改善案になります。この3つのパターンで多変量解析を行い、特に改善度が高かったBパターンへの改修を進めています。

リソースがなくてもすぐにはじめられるアクション3選

MZ:数と質の改善は優先順位を付けて進められたという話で、Webサイト改善に悩む企業の方に参考になったと思います。ただ、リソース不足でなかなか改善に着手できないという企業もあるでしょう。まずは何から着手すべきでしょうか。

室橋:そうですね、DMAICプロセスに則って進める、スピードを追求する、量をこなすというのが基本になります。質ももちろん大切なのですが、CROは実は試行回数が重要です。なぜかといえば、顧客体験は結局ユーザーが決めることなので、もし結果が出なくても「次に行こう」と回数を重ねることで成果がついてくるためです。

 より具体的なアクションに落とし込むと、次の3つはすぐに始められるのではないでしょうか。

すぐにはじめられるアクション3選

1、主要ページのファーストビューにCTAを設置する
2、訪問→コンバージョンまでユーザー視点で体験する
3、GA&ヒートマップでデータ分析→テストを実施する

室橋:私たちが他サイトを拝見している限りでは、主要ページに動線が貼られていないケースはかなり多いです。まずリンクをしっかり付けるだけでも、かなり変わると思います。これはリンクを付けるだけなので、それほど負担にならないでしょう。

 あとは実際に、他部署のメンバーなどにユーザー目線で訪問からコンバージョンまで体験してもらい、どこにフリクションがあるのか指摘してもらうこと。横で操作を見ていて、「ここで詰まっているな」と感じる部分もあるでしょう。

 最後にGoogleアナリティクスやヒートマップツールを導入し、データを見て課題を発見し、仮説を立ててテストを実施すること。ツール導入がまだならまずは導入してみることをお勧めします。

MZ:最後にWebサイトの改善に悩むマーケターや企業の方にアドバイスをお願いします。

室橋:繰り返しになりますが、CROは顧客体験向上の活動です。顧客体験を考えて活動することで、結果として自社のビジネス成長につながります。そのため効率的にコンバージョンレートを上げたり、要領よくリードを創出するといった目先の数値ではなく、「顧客にどう円滑に価値を提供するか」という意識がとても大切です。

 その視点に立てば、読者/見込み客の摩擦を減らすことができると思います。その大前提の下、どんどんテストを重ね、勝ちパターンを分析して「これがなぜいい体験になるのか」を考えて横展開すると、見込み客にとっても自社にとってもいい結果になるのではないでしょうか。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2021/08/26 11:00 https://markezine.jp/article/detail/36896

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