Z世代のアプリに対する金銭感覚とは?
――これまでのお話以外に、印象的だった結果はありますか。
アプリ上での課金状況からも、お金に対する感覚がシビアだということが見えてきました。動画配信サービスも自らが課金するわけではなく、家庭内での共有アカウントを利用し、フードデリバリーサービスやタクシー配車サービスも友達と割り勘するときだけ利用するなど、なるべく安価で便利なサービスを受けようという意識が働いています。
先ほど、Instagramでライトなマンガを無料で読んでいる話をしましたが、このようにZ世代の多くがネット上のサービスは「無料」が当たり前という感覚です。合理的な判断をしている世代とも言えます。
――割り勘をしているとの話がありましたが、アプリでの決済なども浸透しているのでしょうか。
はい。決済関連のアプリも積極的に利用しています。割り勘に関しても、PayPayやLINE Payの個人間送金機能を使いスマートに行っています。さらに、他の世代に比べてバンドルカード(アプリ上で作れる、バーチャルなVisaプリペイドカード)や後払い決済アプリのPaidy、家計簿アプリの利用比率が、他の世代に比べ高いことがわかっています。

動画・ゲームの利用状況は?
――今回の調査ではカテゴリー別でも利用動向を調べているんですよね。
はい、様々なカテゴリーでユーザー属性を調査しています。たとえば、動画配信サービスやライブ配信サービス、マンガアプリなどのエンターテインメントアプリのZ世代ユーザー属性では、YouTubeが圧倒的なMAU(月間アクティブユーザー)を誇っています。YouTubeは45歳以上世代とMAUの数は同じくらいですが、利用時間が1.4倍長いことがわかっています。
その他にも、AmazonプライムビデオやNetfrix、AbemaTVなどが動画配信サービスではMAUが多く、マンガアプリではピッコマやLINEマンガなどが人気を集めています。

また、ゲームアプリだと、荒野行動がZ世代の中で特に利用比率が高い状況となっています。そして印象的なのが、マルチプレイのできるタイトルに人気が偏っていることです。昔友達の家に集まって家庭用ゲームをやっていたのがデジタルに置き換わりつつあります。
ただ、グループインタビューでは、課金に対するシビアな声も聞こえてきたので、マネタイズにすぐつながるユーザーが多いわけではないことがわかります。
