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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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有園が訊く!

【メディア関係者必読】鍵はアクセスの習慣化/メディアの収益化とブランド力向上を実現する3つのセオリー

コメント欄の活性化で記事PVが伸びていく

有園:関連記事やランキングで、たまたま訪れた人の興味をうまくキャッチできれば、メディアでの滞在時間が増え、ブランドの確立につながる、と。

伊藤:そうですね。たとえばMarkeZineなら、他のマーケティング系媒体ではなく「この記事は『MarkeZine』の記事だ」とちゃんと意識して読み、ロゴやサイトのデザインなども頭の中に残って、媒体名を聞くとそれらが想起されるような。そんな状態になると、“一見さん”のときよりも、この雰囲気の中で他の記事も見てみようという気になる。

 そこから会員登録やメルマガ登録、プッシュ通知の許諾につなげられたら、以後はメディアから直接お知らせができ、“常連さん”になっていくわけですね。

 ブランドの確立と浸透には、関連記事に加えて、コメント欄も重要になってきています。Yahoo!ニュースやNewsPicksに人が集まるのは、単に情報発信しているだけでなく、コメント欄があるからという理由が大きいと考えています。記事の感想を共有し、それに共感したり反発したり、その書き込みにまた反応したり、とCGMの役割を果たしている。「メディア+CGM」の構造が、人を呼んでいます。

有園:なるほど。たまに荒れることもありますが、活発に議論される記事はどんどん注目されますね。

伊藤:その通りです。また、自分がその記事に何らかの意見を抱いてコメントを書くと、それにどういう反応があったか気になりますよね。なので、もう一度見に来るんです。普通、二度も三度も同じ記事を読みませんが、コメント欄があると何度もそのページを訪れるわけです。NewsPicksの「プロピッカー」のように、一定の著名人がコメントする仕組みがあると、その人が何を書くかが注目されたりもします。

「議論に参加したい」気持ちが閲読率を高める

伊藤:当社の調査では、コメント欄を設置すると、それ以前に比べ、平均して2~5%ほどPVが伸びています。また、Googleの検索エンジンは記事本文だけでなくコメント欄もクロールしているので、その点でもコメント欄はPVの後押しになっています。さらに言うと、記事自体の閲読率も上がります。

有園:そんなに重要だったのですね。閲読率が上がるのは、なぜですか?

伊藤:メディアの記事の書き方って、だいたいパラグラフの冒頭に結論を持ってきていますよね。私もメディア企業にいたのでわかりますが、多くの記者はそのように書く訓練を積んでいます。すると、記事全体の最初の1~2割くらいを読むと、全体がわかったような気がするので、最後まで読まれにくいんです。当社のヒートマップツールでも、その様子がよくわかります。

 でも、コメントを書こうと思ったら、特に議論に参加しようと思ったら全体を読まないといけないですよね。2割しか読んでいない人が、全体を読んで理解した人とのバトルに勝てるわけはないから。

有園:確かに。そうすると閲読率も上がるし、白熱する議論を見にくる“野次馬”的な人も増えるし、その人たちも全体を読みたくなる……という構造があるのですね。ただし、それもあくまで一見さんだから、メディアの複数の記事に関心をもってもらって、会員化などにつなげる必要がありますね。

伊藤:その通りです。先ほどプッシュ通知の利点について話しましたが、それ自体が重要なのではなく、興味を持てないのに送り続けるとかえって邪魔になって通知を切られてしまいます。その媒体の記事をいろいろと読んでもらい、好きになったり有用だと思ってもらえたりするところまで漕ぎづけられるかが重要です。

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外部からの流入経路に依存しない固定ファンをつかむ

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/09/28 09:00 https://markezine.jp/article/detail/37282

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