SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

SEO初心者が知っておきたいGoogle機能の基礎知識

検索ユーザーに思いを馳せよう!サジェストキーワード「他の人はこちらも検索」の基礎知識


「他の人はこちらも検索」を施策に活かす方法

 ここまで解説してきたように、「他の人はこちらも検索」は、ユーザーの検索行動のヒントや仮説として、施策に活かすことができます。ここでは私が施策に活かすために意識している3つのポイントをご紹介します。

1.検索の流れ
2.検索の展開
3.ユーザーが検索するキーワードの理解

1.検索の流れ

 例で挙げた「包丁」のように、検索は1回で終わらずに数回続くことがあります。「他の人はこちらも検索」は、どのような流れでユーザーが検索するのか考える参考になります。

 たとえば「食パン」という検索結果の「他の人はこちらも検索」をたどってみると、レシピ軸、アレンジ軸、冷凍軸でキーワード候補が挙がりました。図にしてみると以下のようになります。

 冷凍などはいきなり「食パン 冷凍 期限」で検索する可能性も高そうですが、「食パン アレンジ チーズ はちみつ」は、チーズのアレンジ方法を知った上で、はちみつに特化したアレンジ方法を、より調べたくなった人もいそうです。

 この図で、食パンに関するすべてのニーズを押さえられるわけではありませんが、ざっくりとニーズを把握したい際には役立ちます。

 こうした検索の流れは、コンテンツ作成の参考になりますが、ページ内の関連リンク設置にも役立てることができます。関連するページのリンクを設置するだけでなく、「このページを見たユーザーが次に知りたい情報は何か」という視点でリンクを設置することで、サイト内の回遊をより促せるでしょう。

 実際にこの観点でリンクを追加・変更したことで、PVが重要指標のメディアにおいて、直帰率が5%改善したケースもあります。みなさんも、検索結果を参考にしながら、ユーザーが次に見たいページへのリンクを検討してみてください。

2.検索の展開

 「他の人はこちらも検索」は、ロングテールキーワードをたどっていくと、そのキーワードを含まない関連キーワードを表示するようになります。

 たとえば、「マウス」→「マウス ワイヤレス」→「マウス ワイヤレス 動かない」とたどってみると、以下のような「他の人はこちらも検索」が表示されました。動かないという悩みから、「Windows10」や企業名などのさらに絞り込まれたキーワードや、「マウスカーソル 動かない」といった類似しつつ異なる検索キーワードも見られます。

「マウス ワイヤレス 動かない」のモバイル検索結果

 他にも、「パソコン」→「パソコン 安い」→「パソコン 安い 高性能」とたどってみると、「高スペック」のように言い換えられていたり、強調表現の「激安」というキーワードが使われていたりと、新たな気づきを得ることができます。このような目線で「他の人はこちらも検索」を見ることで、キーワードの使い方や別軸のユーザーが探しているものなどを見つけられます。

「パソコン 安い 高性能」のモバイル検索結果

3.ユーザーが検索するキーワードの理解

 1と2のようにキーワードを追いかけると、どのようなキーワードでユーザーが検索しているかイメージしやすくなると思います。

 自社で扱うサービス、製品や、そのキーワードを狙う目的によっては、「包丁」のようなビッグキーワードだけでなく、「包丁 ダマスカス メリット」のようなロングテールキーワードのほうが的確な場合もあります。ユーザーの検索行動全体を想定した上で、ターゲットにするキーワードは決めていきましょう。

 なおユーザーの検索をイメージする上では、サジェストキーワードやページ下部の「関連キーワード」機能なども参考にできます。特にサジェストキーワードは、前後の検索によってパーソナライズされるため、ユーザーの検索に影響を与えることも考えられます。

 下記は、「椅子」の初回検索時のサジェストと、「ソファ」を調べた後の「椅子」の検索結果です。

 「椅子 ソファ」が最初に表示されるほか、オフィスやパソコンなどのサジェストがなくなっていることがわかります。

 こうしたサジェストキーワードは、各種ツールで一気に抽出することもできますが、ユーザーと同じように検索を通じて発見するのも、キーワード選定時などにおすすめです。

左:「椅子」のサジェストキーワード
右:「ソファ」を検索した後の「椅子」のサジェストキーワード

意外と奥が深い「他の人はこちらも検索」

 今回は「他の人はこちらも検索」の例や施策への活用方法をご紹介してきましたが、ここまで細かく見たことはなかったという人もいるのではないでしょうか。お伝えしたかったことは、「ユーザーの検索」を再現しながら、キーワードのニーズを把握することが大切であるということです。

 ユーザーはこうした機能を使ったり、使わなかったりしながら目的の情報を検索します。ビッグキーワードで1位を取ることも重要ですが、目的によってはユーザーの検索行動を意識した上、ロングテールキーワードで1位を取ることが重要な時もあります。

 こうした「他の人はこちらも検索」などの機能から、ユーザーが「どのような流れ」で検索を行うのかにも注目し、コンテンツ作成に役立ててください。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
SEO初心者が知っておきたいGoogle機能の基礎知識連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

青木 創平(アオキ ソウヘイ)

 ナイル株式会社 SEO研究所所長。大規模データベース型サイトなどの技術的に複雑なSEOのプロジェクトや、BtoBのサービスサイトにおけるオウンドメディアマーケティングなどを担当。2021年からはSEO研究所を立ち上げ、より成果に貢献するSEOを追求している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/10/01 10:34 https://markezine.jp/article/detail/37284

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング