スケールフェーズでは広告の改善を繰り返す
スケールフェーズで新たに取り入れた動きとして、小林氏は、インフルエンサーマーケティング、TVインフォマーシャル、プロスポーツ連携、加盟店タイアップの4つを挙げ、それぞれをデータドリブンに運用していることを明かした。

インフルエンサーマーケティング
なかでも効果を実感したのが、インフルエンサーマーケティングだ。インフルエンサーのプロデュースをする、楽天グループのMIHAと連携し、2018年頃から継続的にインフルエンサーとタイアップを実施してきた。
タイアップの良さは、インフルエンサーがサービスの良さを自分で表現し、ファンに届けてもらえることだ。好感をもってわかりやすくファンに伝えてもらうことで、波及しやすくなり、ユーザー獲得につながる。
実施以前、ヘビーユーザーのデモグラフィックデータは30~40代だった。しかし3年ほど前から継続的に施策を実施した結果、20~30代の層が増加し、現在ではF1層がマジョリティを占めるようになった。インフルエンサーの威力を実感したという。
さらに継続運用してきたことで、タイアップも運用型広告のように改善できることがわかってきた。紹介内容や紹介するタイミング、紹介する尺の長さ、伝え方などを熟考することで、CPAは改善できる。ハンドリングの手ごたえを得たことで、さらに重要視するチャネルとなった。
TVインフォマーシャル
もうひとつの成功例はTVインフォマーシャルだ。当初はスポット広告を検討したが、最初から大きな投資をするのは難しい。そこで比較的リーズナブルな1分間のインフォマーシャルを実施。日本テレビの「スッキリ」や「ヒルナンデス!」の枠で、芸能人にサービスを紹介してもらった。結果としてDL数が伸び、CPAも悪くなかった。この投資をするにあたって、先に見直したコアバリューを再確認。メッセージを絞り込んで伝え方を工夫した。
リアルな場でのコミュニケーションも重視
「スケールフェーズでは、広告ではないリアルな場でのコミュニケーションも重要です」と小林氏。いくつかの施策を紹介した。
プロスポーツ連携
プロスポーツチームと連携し、得点予想やリアルブースでの抽選会を実施した。「Super Point Screen」はアプリで提供するサービスのため、社員がユーザーの顔を見ることは少ない。こうした機会を活用してユーザーと触れ合い生の声を聞いて、ダウンロードしてくれたきっかけや普段の使い方を知ることは、新規ユーザー獲得のフックを見つけるきっかけにもなる。加盟店タイアップ
「楽天ポイントカード」や「楽天ペイ」の加盟店などとタイアップしたキャンペーンも実施。楽天側はアプリを通じて加盟店のチャネルへと送客し、加盟店側は自社メディア、自社アプリ、LINEアカウントなどでポイントサービスを紹介する。各チェーン店は新規ユーザーを獲得でき、既存のユーザーの売上もアップする。楽天は普段バイイングできない広告や広告では扱えない顧客接点を持てる。ユーザーにはポイントやおまけを用意し、“三方よし”を実現した。
地道なプロモーションが想起を生み、好循環を作る
小林氏は最後に「想起」の重要性について言及した。ポイ活がブームになるなか、「Super Point Screen」は昨年、TBSテレビ「マツコの知らない世界」のポイ活特集に取り上げられた。「ポイ活ならSuper Point Screen」と想起され、番組側から声がかかったのだという。様々なプロモーションや認知獲得施策の成果だろう。
「コアバリューを追求し、”楽しいポイント獲得体験”にこだわってきたことで、人に紹介したくなるものとして想起されることにつながった。このことがとても嬉しかったですね」と小林氏。番組をきっかけに、ユーザー数は大幅に増加した。
今度の展望として、小林氏はポイ活をより一般的なものにしていきたいと意気込む。「ポイ活とさまざまなコンテンツを掛け合わせながら、さらにたくさんの方に楽しんで使っていただけるサービスであり続けたいですね」(小林氏)