SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

MarkeZine Day 2021 Autumn

現場で生きる細かいコツが満載!ウェビナー飽和状態でのリードの質低下・集客問題に対する3社の取り組み

地味だけど絶大な効果あり、煩雑な業務の効率化

井田:成末さんも同じような課題を抱えていましたよね。

成末:はい、当社も瀬崎さんと同じく、イベント実施回数は増えましたが、マーケのリソースはほとんど変わっていない状態です。それに伴い業務が煩雑になっていったので、いかに効率化するかが課題でした。

 そこで、社内業務における普段のやり取りをSlackとBoxに集約し、煩雑になりがちなコミュニケーションの効率化を目指しました。セミナー専用のSlackチャンネルでコミュニケーションを行うことを徹底し、やり取りの過程を集約・確認できるようにしました。

 加えて、メディアさんとのコミュニケーションでは、1枚のシートを用意し、イベントの案内や提供いただけるリードの数・項目・アンケートの可否などの確認事項をあらかじめ共有し、インサイドセールスチームとスムーズにやり取りできるような仕組みを作りました。取り組んだ中身は地味なのですが、実際にやってみて、「こういう仕組み作りは大事だな」と実感しています。

井田:大事ですよね。メディアさんによってアンケート項目に制限があったり、できる・できないの違いがあったり、リストが来るタイミングが異なったりするので、抜け漏れがないように事前に確認することでリソースが抑えられますよね。配信方法も使い分けしているのですか?

成末:はい、録画配信・自宅からのライブ配信・配信スタジオからのライブ配信の3つを使い分けています。同じライブ配信でも、自宅から行うのとスタジオに行くのとでは拘束時間が違ってきます。イベントの規模や情報鮮度の違いなどで応じて、使い分けの判断をしています。

井田:各社ウェビナーに慣れてきて、運用が一通りわかってきたからこそ、どこを効率化していくかチューニングしてきたのがこの半年~1年間だったと思います。

ウェビナーの質を上げ、盛り上げるために欠かせない事前アンケート

井田:次のテーマは「リードの質が低下していく問題」です。オフラインの時は確かに集客に苦労しましたが、一度申し込んでいただくと、会場まで足を運び、アンケートも記入していただきます。顔見知りの方がいれば営業が声をかけることもできました。ところがウェビナーにシフトし、集客の苦労は減少した反面、一つひとつのセミナーの質やリードの質、そこからの効果が少しずつ落ちていくような実感があります。これについてはどう乗り越えていかれたのでしょうか?

成末:当社ではセミナーの質を上げるためのポイントとして、「セミナー中にいかに質問をいただけるか」を重視しています。このイベントの事前打ち合わせで、私たちのセミナーは「質問時間に50分取っている」と話したら、井田さんと瀬崎さんにドン引きされたのですが(笑)。

 事前に参加者の方が興味あること、知りたいことを聞いて、セミナー当日はその意見を反映した内容を話し、次回の企画に向け事後アンケートを取ってその声を活かしていくという当たり前の話ですが、これを丁寧にやることによって、お客様の満足度が上がって、インサイドセールスもフォローしやすくなると実感しています。

井田:申し込み時にアンケートをきちんと取るのは素晴らしいですね。できていない会社も多いと思います。運営側はどうしても申込者の人数ばかりに注目しがちですが、ここで参加者の方の思いに着目するのは良いやり方だと思います。

成末:実際の成果ですが、ウェビナー始めた当初はオフラインとあまり変わらない数字だったところが、現在はアンケート回答数も上がり、セッション中のQAはオフライン時よりも増えました。アンケートの回答率も5~6割となり、直近では7~8割の回答いただけるようになったので、参加者のみなさんと一緒に作り上げるというのは大事だなと思いました。

 細かい話しですが、オンラインセミナーの質問については、Zoomのチャット機能とSlidoを比較してみました。Zoomは個人情報と紐付いているので、後追いがしやすいのですが、途中参加の方はそれまでの間で出た質問を見られないこともありますし、温度感がわかりづらいということもありました。一方Slidoで、質問を投稿してもらって、それをフルオープンで参加者の方に見てもらい、いいね! をどんどん付けてもらうようにすると、結構盛り上がりましたね。

井田:盛り上がりでセミナーの雰囲気や満足度が全然違ってきますよね。「気軽に質問していいんだ」と参加者の方の安心感にもつながりますし。

成末:質問をたくさん重ねると、答えたことに対してさらに質問を重ねるというスパイラルが生まれるんです。講師の方は大変になりますが(笑)。

井田:だから50分かかるわけですね。アンケートの回答率も7〜8割とは、オフラインとほとんど変わらないですね。

瀬崎:アンケートに回答すると、セミナー動画の視聴権をプレゼントしたり、QA一覧を送ったりなど、かなり手厚いインセンティブがあるのもいいですね。動機付けになると思います。とても参考になります!

次のページ
データの整備・検証/当日フォロー 2社のリードの質改善施策

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZine Day 2021 Autumn連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/10/25 09:00 https://markezine.jp/article/detail/37473

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング