松竹が提供する新たなエンターテインメント
MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは、皆さまのご経歴と現在の業務領域についてお教えください。
石毛:私は2004年入社のプロパーで、16年松竹に在籍しております。歌舞伎の劇場の仕事や映画館の運営など、複数のプロジェクトに携わった後、事業開発本部の所属となりました。
松竹には5つの本部がありますが、事業開発本部はできて2年程の新しい部署です。現在は、新しいエンターテインメントコンテンツを作る、という大きなミッションに沿って動いている状況です。
星野:私はフリーランスや起業などの経験、IPを使ったテーマパーク企画の前職を経て、松竹に入社しました。前職で他社IPを活用しての企画づくりを重ねるうち、自ら企画したIPを立ち上げたい、という想いが強くなり、転職して現在に至ります。現職では、新規IPの企画に携わりながら、二次元アイドルプロジェクト『Princess Letter(s)! フロムアイドル』の、マーケティングやビジネス周りを包括的に担当しています。
池邊:D2C Rでストラテジックプランナーとして働いています。前職では4年間、アプリゲームのコンテンツディレクターをしておりました。やりがいのある仕事でしたが、良いプロダクトも人に知られなければ意味がないんだな、と、広告の重要性を感じる瞬間が多かったです。自身の経験から、情熱を持ってコンテンツを制作する方の力になりたいと考えたのが、D2C Rに入社したきっかけです。
入社してまもなく、社内でマーケティング戦略推進の機運が高まり、ストラテジックプランニング部という部署が新設されました。そこに立ち上げメンバーとして参画し、現在に至ります。
文通ができる二次元アイドル『フロムアイドル』
MZ:生活者やエンタメ業界のデジタルシフトについて、どのようにお考えでしょうか。
石毛:個人的には松竹はデジタルシフトの流れの中では後発かと思いますが、それでも最近は変化を感じており、チケット予約や購入についても、ほとんどのお客様がWebを活用するようになりました。
そんな中、PRの手法も変わってきています。シニア向けのエンタメでは新聞広告やチラシなども併用しますが、今回の『フロムアイドル』や、中高生向けの映画などについては、デジタル広告が多くなってきました。SNSの主要なタッチポイントは当社でも網羅していますし、業界全体を通して、今後もデジタル活用の比率は増えていくと思います。
星野:コロナ禍を経て、デジタルシフトはより加速したのではないでしょうか。以前はSNSを活用するにしても、企業・コンテンツ側から一方的に「お知らせ」などを発信するのが一般的でした。現在は、ファンを巻き込んだ相互交流が進んでいて、ユーザーと企業がより深くつながれるようになったと感じています。
MZ:今回D2C Rと一緒に進めてこられた二次元アイドルプロジェクト『フロムアイドル』でもファンとのコミュニケーションに力を入れていますよね。本プロジェクトの概要をお聞かせいただけますか。
石毛:『フロムアイドル』は、松竹が企画・展開する、自社オリジナルの二次元アイドルプロジェクトです。アイドルと直筆の手紙のやりとりができるサービスが最大の特徴で、女性アイドルの『Princess Letter(s)!』と、男性アイドルの『Prince Letter(s)!』の二軸で展開しています。文通をコアに、楽曲やグッズ、声優のライブなど、様々な展開を広げていくプロジェクトです。
星野:デジタルシフトが進む現代だからこそ、手紙のようにアナログな交流を求めるニーズが高まるのではないか、と考えています。認知の獲得や集客の部分はすべてデジタルでフォローしつつ、最後はファンの方一人ひとりに“あなただけの”アナログなコミュニケーションをお届けする、というのが『フロムアイドル』のコンセプトです。