YouTubeのMVが高評価率99.7%を獲得
MZ:D2C R様がデジタルマーケティングの専門家として加わったことで、プロモーションの現場ではどのような効果や結果が得られましたか。
石毛:素人っぽい話ですが、マーケティングの結果が見えるようになりました。何がうまくいき、何がダメだったのか、理解できるようになった部分は大きいですね。
池邊さんからは、アドバイザーとしての意見はいただきますが、実際に現場で手を動かすのは我々です。D2C Rさんがいなくなったら何もできなくなる状況は嫌なので、社内にある程度自走できるノウハウを溜められたのは非常に良かったと感じています。YouTubeもTwitterも見様見真似ですが、プロの助言をもらいつつ、ある程度自走できるようにしていくというのは、他社様にもおすすめしたいですね。
池邊:石毛様がおっしゃったYouTubeについてですが、当初のYouTube広告を拝見した時点では、キャンペーン設計の段階から、配信目的に対して適切でない形になってしまっていたんですよ。
そこから、配信手法やターゲティングに関する設定を細かくお伝えして、ユーザーをセグメントしてと、設定を深めていった結果、10%以下だった視聴率を、30%まで上げられました。
直近では、4分半の長尺のMVをCPV配信で流しましたが、これは視聴数が増えつつも視聴率が50%を超えています。見てくれる、喜んでくれるユーザーが増えているのが、数字として表れているのではないでしょうか。
星野:先月、ポエトリーリーディング楽曲『雁矢よしの話』のMVを、ターゲティングを調整して広告配信したところ、高評価率99.7%を獲得しました。広告接触にも関わらず、MVに対して好意的なコメントも多く寄せられています。親和性の高いターゲットに広告を届けることで、評価にもつながることを改めて認識しました。
星野:コアなファンの方がサービスイン当初から少しずつ増えていると感じます。これからも、ファンの皆様と一緒に盛り上げていけるように、池邊さんと相談しつつ、新たな施策を仕込んでいきたいと考えています。
コンテンツの成長、ファンの成長を段階的にサポート
MZ:『フロムアイドル』についての今後の課題や、コンテンツメーカーとしての展望についてお聞かせください。
星野:サービスのコアである「文通」は、ファンの皆様からいただいたお手紙の内容に合わせ、1枚1枚手書きで書いた返信をお送りしているということもあり、現状は提供価格を高くせざるを得ない状況です。そのため、価格により体験のハードルが高い、というお声をいただく事があり、うまく払しょくできるような取り組みを進めています。
星野:文通サービスをECの一種と捉え、たとえばECサイトによくあるお試しプランのようなものを用意する、などの策を展開する予定です。その他にも「楽曲は良いがキャラや世界観はよくわからない」という意見が見られるので、いかにして作品全体のファンになっていただくか、という施策の必要性を感じています。
現在新曲リリースの計画をすすめておりますが、それまでの間をつなぐようなコンテンツや、引き続き認知獲得のため、他社様とのタイアップ企画などを推し進める方針です。
MZ:D2C Rとしては、今後どのような価値を提供できるとお考えでしょうか。
池邊:『フロムアイドル』は魅力的なコンテンツですが、複層的で複雑な側面も持っています。文通というコアな体験がフックになる一方で、エンタメ体験としてハードルが高い、という矛盾も抱き合わせています。
池邊:従来のコンテンツでは、コンテンツの核となる特徴を、様々な表現パターンに落とし込んで訴求するのがベターです。しかし「フロムアイドル」の場合は核となる文通体験だけではなく、まずは楽曲やストーリー、バックグラウンドを知って楽しんでもらい、文通相手としてキャラを好きになってもらう必要がある。そうして文通相手としての価値が生まれます。そこまでの階段付けの部分についてはしっかりとサポートしたいと考えています。
『フロムアイドル』がコンテンツとして、アイドルとして成長していく過程を、ファンと同じ速度で歩むような支援を続けたいと考えています。