SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

アメリカの「今」から、日本市場の「未来」に備える

日本はブランドセーフティに対する意識が低い?アメリカの傾向から学ぶべきポイントは

アメリカではより透明性の高いDSPに予算を移す動きも

 では、アメリカのマーケターはブランドセーフティに対して、どのような動きを取っているのでしょうか?

 2020年にeMarketerがアメリカのデジタルマーケターに対して行った調査(「Digital Ad Fraud 2020」)によると、プログラマティック広告に関する課題トップ3は以下の通りです。

・ブランド毀損につながらないプレミアムな媒体の在庫の枯渇(回答者の41%)

・アドフラウドの増加(38%)、

・リスクのあるコンテンツへの配信(34%)

 ブランドセーフティに対する懸念やそれに影響されるプレミアム在庫の調達の難しさを感じているマーケターが多いことがうかがえます。

 プログラマティック広告では、アドネットワークやSSPを通じて何十、何百というパブリッシャーに広告配信することが多く、各サイトのコンテクスト情報を開示されないケースが少なくありません。つまり、コンテクスチュアル(文脈)に適したブランドキャンペーンだったのかどうかが必ずしも把握できるわけではないため、知らないところでブランド毀損が発生している可能性があるのです。そのため、配信先やパフォーマンス結果の透明性に重きを置くマーケターが増え、特にオープンインターネットに関しては透明性がより高いDSPに予算を移行している傾向が見られます

OTT、CTVへの出稿量も増加傾向に

 そして、アメリカの場合は、メディア環境に大きな変化が訪れています。前回の記事でも触れましたが、コネクテッドTV(CTV)市場が拡大し、屋外広告(OOH)も徐々にデジタル化されているのが大きな傾向です。

 日本においても、OTT・CTVでの広告配信については、UGCと比べると著作権意識の高い放送局などのプロがつくっているコンテンツの中に広告配信されるところが大きいでしょう。OTTはUGCに比べると専念視聴が高いという調査結果(「The Trade Desk 動画配信サービス利用実態調査2020年」)もあり、OTT・CTVへの出稿量を増やすことを検討するマーケターが特に増えています。

次のページ
日本のメディア品質は最低レベル 高いブランド毀損のリスク

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
アメリカの「今」から、日本市場の「未来」に備える連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

馬嶋慶(マジマ ケイ)

The Trade Desk 日本担当ゼネラルマネージャー

Facebook日本支社の立ち上げメンバー、Taboolaカントリーマネージャーなど、プレミアムメディアや新興デジタルメディアでの豊富な経験を有し、直近では米国発のテクノロジースタートアップであるUiPathdeマーケティング部門を牽引。20年...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/12/17 08:00 https://markezine.jp/article/detail/37760

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング