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キーワードは“フレキシブル消費” メルペイと牛窪恵氏が後払い決済サービス利用者のインサイトを紐解く

 キャッシュレス化が進み、支払い手段が多様化する昨今。20~30代を中心に後払い決済サービスの利用が広まっているという。後払い決済という選択の背景には、どのようなインサイトが隠れているのだろうか。メルペイは世代・トレンド評論家の牛窪恵氏による監修のもと「消費と支払手段に関する調査」を実施。2021年10月11日(月)に調査発表会を開催し、後払い決済サービス利用者の購買動向や価値観を調査結果から紐解いた。本稿ではその詳細をレポートする。

拡大する国内外の後払いニーズ

 メルペイの山本氏はまず、後払い決済において日本市場の先を行く国外市場を紹介。Appleの参入表明や決済事業者のM&Aによる参入など、市場拡大につながる動きは加速していると述べた。

メルペイ 取締役 COO 山本真人氏
メルペイ 取締役 COO 山本真人氏

 インサイダー・インテリジェンスが行った調査によると、各国のECサイトにおいて「BNPL(Buy Now, Pay Later)」と略される後払い決済サービスの利用は拡大し、2024年の決済比率は2020年の約2倍に到達する見込みだという(出典:INSIDER INTELIGENCE「PayPal, Klarna, and Visa make moves in the BNPL space as new growth opportunities emerge」)。

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 別の調査では「アメリカの消費者がBNPL決済を利用する理由」として「クレジットカードのように金利が発生しない」「予算以上の買い物ができる」が上位に(出典:調査レポート「BNPL(Buy Now Pay Later)2021年1月」プレビュー版)。山本氏は「ちょっとした買い物の際も金利を低く抑えたい心理や、クレジットカードの審査が通りにくい状況への解決策としてBNPLが支持されている」と解説した。

 次に山本氏は国内動向について紹介。矢野経済研究所が行った調査の結果によると、EC市場における後払い決済額は年々増加しており、2024年には1兆8,800億円に到達する見込みだという(出典:矢野経済研究所「オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測_2021年版」)。

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AI与信やメルカリの売上金による支払いなども可能に

 メルペイでは2019年4月に後払い決済サービスとして「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」の提供を開始。2021年8月に「認定包括信用購入あっせん業者」の第1号に認定されたことを機に、従来は勤務先や年齢などの属性に基づいて行っていた与信審査を、スマホ決済サービス「メルペイ」やフリマアプリ「メルカリ」におけるユーザーの行動情報を基にAIで行っている。山本氏はサービスのポイントを次のように語った。

「メルペイスマート払いでは、支払いの見える化や管理のしやすさを追求したサービス設計を心掛けています。たとえば、支払い終了までの期間や金額をわかりやすくビジュアル化し、想定外の支払いが発生しにくいデザインを実現したり、メルカリの売上金を使って支払いができる機能を実装したりと、返しやすさにも配慮しています」(山本氏)

 メルペイスマート払いのユーザーは20~30代の若年層が中心。約6割が利用上限金額を自分で設定しているほか、約4割がメルカリの売上金をメルペイスマート払いの支払いに充てているという。

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 このような利用実態を踏まえ、同社はマーケティングライターで世代/トレンド評論家の牛窪恵氏とともに、生活者の消費と支払い手段に対する考え方をさらに深掘りする目的で調査を実施。調査発表会では山本氏と牛窪氏がその結果を振り返りながら、トークセッションを行った。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/22 08:30 https://markezine.jp/article/detail/37770

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