SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

D2Cブランドの成長を支えるデジタル×マス融合の可能性

CMへの投資判断は確かに難しい。それでも行う理由と実行体制|Uber Japan中川さんに聞く・後編

チャネル選定の視点。リーチ効率以外に重視するのは?

木村:チャネルの使い分けについてもお聞きしてよろしいですか。Uberさんはデジタル・マス問わず様々なチャネルに投資をされていますが、判断軸としてはリーチの効率で見られているケースが多いのでしょうか。それともフレキシビリティーやコミュニケーションとの適合性も見ていらっしゃるのでしょうか?

中川:リーチ効率は重視しています。ただしデジタルメディアの場合は20回、30回と目にすることにならないようフリークエンシーキャップをかけているので、それを踏まえた上でのリーチ効率を見ています。

 その上で、前回申し上げたように、Uberではセグメンティングをしっかり行ってレレバンシー(関連性)の高いタイミングでメッセージを出すようにしているので、リーチ効率が必ずしも良くなくても、コンテクストに沿ったメッセージを出しやすい媒体は使うようにしていますね。たとえば駅広告を使うと「帰りに頼んで帰宅後に受け取れるよ」というメッセージを、まさに帰宅途中の人に届けることができる、といったケースです。

木村:いかにレレバントな訴求をするか、という観点からも媒体を見ていらっしゃるのですね。

中川:はい。メッセージの出し分けは今年の上期から設計を始めていて、はっきりとした結果はまだ見えていないのですが、手ごたえはあります。たとえば「旅行に行けない代わりに、Uber Eatsを使って旅行気分を味わいませんか」「育児や家事に忙しいタイミングで、Uber Eatsを使ってみませんか」といったメッセージは、結構響いているのではないかと思いますね。

 Uber Eatsの良さは、頼んで楽をするということではなくて、その部分をUber Eatsに任せてもらうことで、本当にやりたいことをやり続けられる、というところにあります。だから、たとえばゲームやスポーツなど「今は席を離れたくないんだ」というモーメントは、とてもレレバントだと思います。実際にTwitchへの出稿を試験的に行っていて、継続的に実験できると面白いのではと考えているところです。

木村:なるほど。そのような視点でUberさんの広告コミュニケーションを読み解くと、また新しい発見がありそうです。

 今回のインタビューは、特にスタートアップで頑張っている経営者やマーケターにとても響くと思います。ホワイトスペースでビジネスをしている事業者の方々が大半ですので、ハビットを根付かせることが、最初の課題になるという話。そして、そこに対してのメッセージングの仕方、広告投資の考え方など、マーケティングの神髄と言える部分について、詳しくお答えいただき大変勉強になりました。中川さん、ありがとうございました。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
D2Cブランドの成長を支えるデジタル×マス融合の可能性連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

木村 元(キムラ ツカサ)

株式会社Brandism
代表取締役

ユニリーバに2009年に入社。約12年間、ラックスやダヴなどのブランドマーケティングを経験。国内を中心とした360°のプロモーションから、グローバルのブランド戦略や製品開発まで、幅広く従事。ロンドン本社にてダヴを担当し、グローバル全体のブランド戦略設計をリードした後、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/12/21 08:30 https://markezine.jp/article/detail/37825

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング