企業成長とは何か? という問いに立ち向かう(電通)
2021年を振り返って
2021年は、広告キャンペーン領域を超えた、様々なご相談に向き合った一年でした。その企業が世の中に存在する理由の再定義。向き合うべき社会課題の発掘。変えるべきふつうの発見。変革に向けての動力づくり。新しいサービス開発。街づくり。Well-being経営の実践。こうしたご相談にご一緒し、併走させていただく中で、今ある価値を伝達する表現クリエイティブのスキルに留まらない、これからの未来価値をつくる創造クリエイティブのスキルを持ったニュータイプ・クリエイターが多く育ちました。
2022年のミッション
2022年に向き合うべきは、成長社会から成熟社会へと進化していく時代における「企業成長とは何か」という問いだと考えています。目に見える業績を短期的に向上させることだけでなく、中長期的な持続的成長に向けて、目に見えない無形資産を如何に蓄積していけばいいのか。顧客のみならず、従業員や株主や取引先や社会市民や将来世代といった様々なステークホルダーへどうアプローチしていけばいいのか。その際に開示すべき非財務指標は何で、それを向上させるためにどんなアクションを実施すればいいのか。こうした「企業はそもそも何のために成長するのか」という、より根源的・本質的な問いが求められるようになると考えます。

Future creative center センター長
エグゼクティブ・クリエーティブディレクター 小布施 典孝氏
クリエイティブ脳とマーケティング脳の両脳発想から生まれる「創造力」を武器に、事業成長のためのブレークスルーポイントを発見した上でのブランディング企画、アクティベーション設計、エクスペリエンス開発を手掛ける。国内外アワード受賞多数。2019年カンヌライオンズ審査員。2020年ACC審査員。
マーケティングの本質が問い直される年に(博報堂)
2021年を振り返って
「業界の構造的課題」や「日本全国の社会課題」など、従来どのプレーヤーも手をつけてこなかった大テーマに対して正面から向き合った年でした。コロナ禍での生活者の意識やライフスタイルの変化は、マーケティングや社会の「おかしなモノコト」の捉え直しに拡大。DXの名のもと、生活者接点を中心に従来手法を見直し、新たな顧客体験やサービス創造を求める「開発業務」が大きく増加しました。中でも特徴的だったのが、地域コミュニティや地域交通の再編といった社会課題に対して、新交通サービスの開発や社会実装を行ったこと。マーケティングで培った知見が、外部の新たな視点として「社会課題解決にも貢献できる!」という手ごたえを感じました。
2022年のミッション
5GやCASE/MaaSなど、各業界でここ数年バスワードのように扱われていたテーマを実体化させていく年。一方で、プライバシーガバナンスへの取り組みなど、デジタルマーケティングにおいても変化の大きい年でもあります。生活者に価値を提供できるのか? 本質的な課題解決につながるのか? マーケティングの本質も問い直される年になると思います。そして、生活者や社会に対して「真摯な姿勢で向き合うこと」がより重要になっていきます。

CMP推進局 部長/HAKUHODO DX_UNITED 堀内 悠氏
京都大学工学部卒/同大学院社会基盤工学専攻修了。博報堂入社以来、マーケティング領域を専門に、グローバルIT企業の日本市場戦略、自動車メーカーの環境戦略、通信キャリアの5G戦略などで、プロジェクトをリード。近年では、クライアント企業のDX構想&実装や自社サービス開発など、マーケティングの枠を拡張するプロジェクトをリード。グッドデザイン賞、ACC賞など受賞歴多数。