ホリスティック・マーケティングの掟
「NET Marketing Forum2006」で石井さんのプレゼンを聞いたときから感じていた疑問がひとつだけありました。筆者がこれまで会ってきた大手企業のマーケターはブログのリスクを極端に恐れたり、あるいはアンフェアな代理店を使って金でBuzzを買おうとしたり、ネットユーザーの心理がわかっているとはとても思えない人ばかりでした。PGMの概念も、ネットの業界人でなければわからないのかなと少しあきらめかけていたくらいです。
しかしそんなことはありませんでした。一流の企業には一流のマーケターがいるという、あたりまえのことを今さらながら思い知らされた気がします。
筆者が「どうしてネットやブロガーについてそこまで正確に把握されているのですか」と質問したところ、石井さんはひとことだけ答えられました。
「危機意識、ですかね」
同じマーケターとして尊敬すると同時に、心底カッコいいと思いました。
「AUBE」のケースはPGMを前提にしたホリスティック・マーケティングの事例としては最高レベルのものです。もちろんここまで予算がないケースのほうが多いですし、ブランド力がないケースもたくさんあります。今後はそうしたケースも取り上げていきたいと思います。
今回も改めて感じたのは「ホリスティック・マーケティングの掟」ともいうべき鉄則についてです。
* 恐れてはいけない (ただしオンラインコミュニケーションには覚悟は必要)
* 誤解してはいけない (Buzzは金では買えない)
この連載を通じて、こうしたガイドラインについても整理していければと思っています。次回も、もうひとつ事例を紹介しようと思います。お楽しみに!
