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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

1から学ぶインサイト発掘の手法

インサイトをベネフィットに翻訳し、本質的な製品開発を

成長企業のマーケターが、インサイト発掘に時間を割く理由

 インサイトを発掘していくことが重要なのは、売れるプロダクトを作るため、というのは言わずもがなですが、より根本的には、“常に消費者の新しいニーズを満たしていく”という企業やブランドの姿勢を示すことにつながるためだと考えています。

 顕在化しているニーズに対して、消費者が買いやすくなるように価格を下げたプロダクトを開発したり、同じベネフィットでも消費者の選択肢を広げるために香り違いのものを出していくことも、企業として重要な戦略です。一方で、今、顕在化されていないニーズを発見し、それらを満たしていくベネフィットを持ったプロダクトを出すことこそがイノベーションであり、消費者の生活を豊かにしていくと思います。

 マーケターは、新しいプロダクトを作る技術者ではありませんが、正しいインサイトなくしては、技術者は良いプロダクトを作ることはできません。成長している企業のマーケターが、インサイト発見に多くの時間を割いているのは以上の理由からだと、私は考えます。ぜひ、マーケターの皆様には、顕在化されていないニーズ=インサイトを発見し続け、それらを満たすベネフィットを持ったプロダクトを一つでも多く世の中に生んでほしいと思います。

インサイトは時代とともに変わっていく

 インサイトとベネフィットを得るまでの一連の流れを確認いただいたところで、インサイトについてもう少し、異なる視点で考えていきたいと思います。  

 インサイトは時代とともに変わっていくものです。先ほどの「美容液は女性が使うもの」と考える男性は、40年前であれば大半を占めていたかもしれません。しかしいつしか、美容感度の高い男性を中心に、当たり前のように使われるようになりました。美容男子と呼ばれる男性をテレビで見かけるようになったことも、時代背景の変化の一つかもしれません。

 男性美容カテゴリは、商品ラインナップで見ると、女性のラインナップをある程度は追従していくため、予測しやすいカテゴリです。しかし、女性向けのものをそのまま男性に売っても、簡単に売れることはありません。だからこそインサイトを発掘して、ベネフィットを考える作業が必要になります。

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インサイトに迫るために必要な知識とは

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この記事の著者

木村 元(キムラ ツカサ)

株式会社Brandism
代表取締役

ユニリーバに2009年に入社。約12年間、ラックスやダヴなどのブランドマーケティングを経験。国内を中心とした360°のプロモーションから、グローバルのブランド戦略や製品開発まで、幅広く従事。ロンドン本社にてダヴを担当し、グローバル全体のブランド戦略設計をリードした後、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/02/21 08:00 https://markezine.jp/article/detail/38131

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