行動変化を捉え、新商品の開発につなげる
――2021年にBASE Cookiesを発売されていますが、この商品はどのようなニーズから生まれたものだったのでしょうか。
我々の商品ではBASE BREADが一番人気で、主食としてお召し上がりいただくお客様が多い状況でした。しかしチョコレート味やメープル味といった、甘さのあるBASE BREADを発売した直後から、間食として利用してくださる方がとても増えていたんです。この変化に着目して調査を重ねていったところ、お客様の間に「罪悪感なく食べられる、パンほど重くないおやつが欲しい」「間食についても食事と同様に気を遣いたい」というニーズがあるとわかり、これを満たすための商品開発を開始しました。コンセプト段階からプロトタイプの試食まで、BASE FOOD LaboというBASE FOODのユーザーコミュニティに所属する方々の協力を得て進めていきました。
そうして完成したのがBASE Cookiesです。現在の主力商品はBASE BREADで、BASE CookiesとBASE PASTAがそれを支えているような状況となっています。
――BASE FOOD Laboについても、詳しく教えてください。
BASE FOOD Laboは2018年から始まった、約1万5,000人が参加しているユーザーコミュニティです。生活の中でBASE FOODを使いこなすコツをシェアしたり、当社所属の管理栄養士が健康に関するアドバイスを提供したりしています。ユーザーさんには調査や商品開発にもご協力いただいています。BASE FOODはクラウドファンディングからスタートしたブランドであり、創業当初からユーザーさんと顔を合わせてお話しする機会を多く持ってきましたが、会社の規模が大きくなっても、ユーザーさんと一緒にブランドを良い方向へ進めていく場を持ちたいと考え、BASE FOOD Laboを設立しました。
――商品開発ではアンケートやグループインタビューなどを取り入れることが一般的だと思いますが、ユーザーコミュニティを活用する場合との違いはありますか。
その都度設計しなければいけない各種調査と比較すると、工数を少なく抑えながら、より多くのユーザーの意見を得ることができます。また、グループインタビューでは聞く人と答える人がはっきりと分かれていることが多いですが、BASE FOOD Laboのようなコミュニティでは、社員とユーザーの距離が近くよりフラットな関係であることから、本音を拾いやすいというのも利点です。