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日本郵便「デジタル×アナログ」実証実験プロジェクト(AD)

店舗接客とDMを連携し高いCVを実現!データと紙がつながる時代のDMの新しい価値(2)

ブランドらしさが溢れる封書がタイムリーに到着!CVRは約54%

 PVHジャパンは、TOMMY HILFIGERやCalvin Kleinの国内展開を手掛けるアパレル企業だ。TOMMY HILFIGER における「ポイント有効期限のお知らせがタイムリーに届くDM」は、2021年のDM大賞で銀賞を受賞した。同社でMAを活用した顧客導線の設計・運用を行う松山 真由美氏は、「私たちは、お客さまの視点に立ち、お客さまに寄り添った商品やサービスの展開を大切にしています。今回賞をいただいた施策も、そういった思いに基づき行ったものでした」と、施策の背景を振り返る。

合同会社 PVHジャパン E-Commerce&Digital Management, CRM& Customer Journey, カスタマーロイヤリティ マネージャー 松山 真由美氏
合同会社 PVHジャパン E-Commerce&Digital Management, CRM& Customer Journey,
カスタマーロイヤリティ マネージャー 松山 真由美氏

 本施策は、TOMMY HILFIGERの会員プログラム「MYTOMMY」において、対象となるお客さまに、ポイント失効日が迫っていることや保有ポイントで購入できる商品の例などを、封書のDMを通じて周知するというものだ。

ポイント有効期限のお知らせがタイムリーに届くDM
ポイント有効期限のお知らせがタイムリーに届くDM

 同社の会員プログラムの歴史は長く、店舗スタッフが会員向けに手書きで送付していたハガキDMも、高い効果を上げていた。しかし時代の進みと共に、3つの課題が顕在化した。1つ目の課題は、お客さまの所有ポイント情報などが他人の目に触れてしまう可能性があること。このことが不安や懸念につながらないよう、情報の届け方を改善する必要があった。

 2つ目は、毎月DMの発送に多くのリソースが割かれ、スタッフの負荷が増加していたことだ。前述のビジョナリーホールディングスのように、施策の効率化が求められていたわけだ。

 そして3つ目は、店舗間でサービスの質に差が出てしまっていたこと。たとえば来店顧客数の多い路面店では、DMの発送数も多くなり、お客さまにとって最も適切と思われるタイミングで情報を届けるのが難しくなっていた。

 こうした課題を踏まえ、スタッフがお客さまとより良い関係を構築できる環境を整えるために企画したDMが、受賞作の「ポイント有効期限のお知らせがタイムリーに届くDM」だ。CVR約54%と高い実績を出した同施策のポイントは、どのような点にあるのだろうか。

世界観が伝わるよう、細部までこだわり抜く

 松山氏は、ブランドとしての思いを反映させながらクリエイティブにこだわり抜いたことを明かしてくれた。

 「お客さまとの関係性を重視し、もらって嬉しいDMとなるよう制作していきました。特にこだわったのは、封書のDMを最適なタイミングで送るという点です」(松山氏)

 封書とすることで、課題となっていた顧客情報の保護を実現。加えてブランドとして付加価値を高めていったのだ。外部のデザイナーとも協議しながら、形状やデザイン、フォント、配色、紙質にまでこだわっていった。DMでのブランドらしさの追求には、松山氏のある考えがあった。

 「ブランドというのは小さな取り組みの積み重ねで形作られていくものだと思っています。一方で、積み重ねてきた信頼やイメージは、些細なきっかけで失われてしまいます。そのため今回のDMもお客さまの視点に立ち、細かい部分まで考えを巡らせました」(松山氏)

 TOMMY HILFIGERではほかにも、お客さまの誕生月やホリデーシーズンにもDMを送付しており、「デザインを気に入ったので、捨てずに部屋に飾っている」と明かしてくれるお客さまもいるそうだ。

 DM施策の今後について、松山氏は「サステナブルな取り組み」が鍵になると考えている。

 「DMのメリットは、情報を直接、最適なタイミングでお客さまへ届けられる点で、それはお客さまにとっても私たちにとっても価値のあるものです。一方でサステナビリティへの意識が高いお客さまも多く、私たちとしても社会的責任を果たすべく取り組みを進めています。DMにおいても、たとえば再生紙の活用など、環境への配慮を行っていますが、同時に『紙のDMでなくてはならない理由や価値』を考えることも重要だと思っています」(松山氏)

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キーワードは丁寧さ。データと紙がつながる時代、DMにできること

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/04/13 15:16 https://markezine.jp/article/detail/38420

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