導入・施策実行を短期間で進める、アイスタイルのスピード感
MZ:@cosmeアプリは以前から存在しますが、これまでのお取り組み状況はどのようなものでしたか?
木戸秋:実は、それほどアプリには注力できていませんでした。どのサービスから入ってきたお客様かによって興味関心も異なるものですが、提供するコンテンツや発信する情報などはすべてのお客様に向けて一括で提供する、画一的なものになっていました。そこをきちんとセグメントしてコンテンツの内容や情報を出し分けたいと考え、ツールの導入を検討することになりました。
MZ:数あるサービスから、なぜBrazeを選んだのでしょう。
木戸秋:直近で実施したい事柄ができる点と、なおかつ将来的な広がりを感じたからです。セグメントはもちろん、早期にシナリオを組んだ施策を始めたいという思いもあり、そのニーズに応えてくれるツールでした。
また、もちろん中長期的な視点も持った上で、今回は短期でグロースをしたい狙いがあり、スピード感も重視していました。昨年の7月からプロジェクトを始動し、8月の1ヶ月間でツールの選定・検討を行い、9月には導入と施策の開始を考えていました。このスピード感にご対応いただけたこともBrazeを選ぶポイントとなりましたね。
MZ:短期のグロースを実現するために、どのようなタイムラインで施策を行っていったのでしょうか。
木戸秋:まずはアプリをダウンロードしてもらうための施策を昨年10月から行いました。そして、11月にはアプリを使う回数を増やしてもらうための施策を、12月にはアプリからECに送客する施策、1月にはアプリ内で有料のプレミアムサービスへの入会訴求というように、フェーズを変えていきました。
パーソナライズやシナリオ設計で高度な施策をBrazeで実現
MZ:それでは、Brazeをどのように活用されているのでしょうか?
伊藤:最初は@cosmeの商品ページにアプリ訴求のポップアップバナーを表示することから始めました。バナーの文言によってクリック率やダウンロード数が大きく変わったので、BrazeのABテスト機能を活用して、より効果の出る文面になるようPDCAを回していきました。
奥家:Brazeに対して、@cosmeのどのサービスを利用しているかのデータも連携しているため、メディアからアプリに入ってきた人、ECからアプリに来た人、実店舗からアプリに来た人とセグメントし、配信する情報を出し分けるようにしました。
例えば、実店舗を利用したことのある方には、再来店を促すよう店頭でのサンプル配布のクーポンを配信しました。ECサイトでは既存のお客様と新規のお客様をセグメントし、新規の方にはクーポンを、既存の方にはお得なキャンペーン情報を配信しました。
MZ:Braze導入のポイントにもなった、シナリオの設計にも取り組まれたのでしょうか。
伊藤:はい。12月には、「@cosme BEAUTY DAY」という、限定アイテムやお得なキットなどを販売する大きなイベントがあり、そこにフォーカスした施策を実施しました。アプリで取得できるクーポンを配信して、Webサイトから訴求することでアプリへの流入を促し、アプリ内で購買してもらうという流れを作ることを目指しました。
@cosme BEAUTY DAYは4回目の開催で、まだそれほど認知度が高くないため、どのようなイベントであるかを紹介するコンテンツも訴求しなければなりませんでした。そして、アプリ内で購入をしたことがないお客様に向けてはクーポンを提供し、その翌日に@cosme BEAUTY DAYを訴求する配信をするというシナリオを組んで実施しました。
クーポンを取得した人には次にこれを配信し、取得しなかった人には次にこれを配信するというように、どんどん分岐させたシナリオを設計しています。
池谷:クーポンの訴求は他のケースでも行いましたが、どのようなタイミングで配信するかによっても効果が違ってきます。例えば、コスメのことを考えていない時にクーポンのプッシュ通知が来てもあまり興味を持ってもらえません。Brazeでは今、お客様がどういった行動をしているのかという情報がリアルタイムで入ってくるので、アプリで商品情報を見ているタイミングでプッシュすることで、より効果的なアプローチができています。