SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

コロナ“2年目”を定性調査で読み解く

コロナ2年目で飲食業界はどう変化したのか?定性調査で見た今

変化(3)人材採用ニーズの増加と教育の課題

 最後の変化は人材採用ニーズの増加である。多くの飲食店が採用を絞らざるを得ず、既存のスタッフについても離れてしまっている店舗がほとんどであった。そんな中、社会的な風潮として徐々に外食ニーズが復活したことで、人手不足が深刻となった

©BreizhAtao – stock.adobe.com
©BreizhAtao – stock.adobe.com

 カフェ店舗を経営するA社では、売上がコロナにより減少していた中で広告にかける予算が捻出できず、大手求人サイトの利用を停止し、無料での利用できるSNS媒体へのシフトを行っていた。具体的にはInstagramでの求人募集を行った。大手媒体の魅力はリーチできる対象の圧倒的な母数だが、逆にSNSのメリットは通勤圏内の近隣の方にフォローされていることで、母数は稼げないが的確な人にリーチしやすいという点である。

 SNSのほかにはリファラル採用など、できる限りコストがかからない求人施策を懸命に行っているという。

 問題は採用だけではない。今までいたスタッフがコロナ期間に離れてしまったことで、教育をできるスタッフがおらず、接客のレベルにもばらつきが出ているという。かといって大型の店舗ではないため、マニュアルブックもなく、経験豊富なマネージャーがOJTで教育を行っている状況だ。そして急いで採った人材は、辞めるのも早い傾向があるという。スタッフの採用、教育、つなぎとめ、いずれも飲食店の大きな課題であり、それらを解決するソリューションにはニーズがある可能性が感じられた。

 以上、飲食業界の当事者の方々にインタビューを行わせていただいたが、困難な状況を乗り越えるために各々ができる限りの工夫をしていた。そんな中でも急激な変化に対応しきれていない部分も多く、新たに生まれた課題に着目したサービスが今後現れてくるのではないかと感じている。本記事が何か重要な示唆を与えることができていれば幸いだ。

 次回はコロナ禍の影響が大きかったもう1つの業界である、「旅行業界」について起こっている変化を探っていくこととする。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
コロナ“2年目”を定性調査で読み解く連載記事一覧
この記事の著者

浜岡 宏樹(ハマオカ ヒロキ)

株式会社LIFULL uniiリサーチ事業責任者
株式会社LIFULLに新卒で入社し、主力事業『LIFULL HOME’S』のコンサル営業にて年間トップセールスを受賞。その後、代表の井上高志のカバン持ちに就任し、多くのPJを推進。社内新規事業提案制度「SWITCH」にて入賞。「ワクワクする挑戦で溢れる社会を創る」をビジョンに掲げて、2020年9月よりオンラインインタビューサービス『uniiリサーチ』をリリースし、クライアント企業の新規事業創造の支援に取り組む。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/03/29 08:00 https://markezine.jp/article/detail/38617

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング