事例に見る「ブランドにとってのTwitchの価値」
Twitchにはパートナープログラムがあり、数万人以上の配信者がこのプログラムに参加している。アカウントを作るだけで、誰でも無料で配信を始めることができるが、その配信実績などに応じて配信者のレベルを設定。企業がTwitchでインフルエンサーマーケティングを行う時は、これらのTwitchパートナーの中から最適な配信者を選定し、コンテンツの企画から配信、振り返りまで幅広くサポートするという。
講演の中でアンダーソン氏は、Twitchで実施されたインフルエンサー配信施策として、アサヒグループ食品の例を紹介した。アサヒグループ食品は、スタジオNGCのえどさんとタッグを組み、「1本満足バー」を訴求するタイアップ企画を実施。計2時間ほどの配信で、視聴回数は6万回以上、視聴時間は38万分以上を記録した。
アサヒグループ食品が行ったキャンペーン事例について、詳細はこちらの記事で紹介しています。
「これまでお話してきた通り、マーケティングにおけるTwitchの価値は、エンゲージメントの高いコミュニティを活用できるところにあります。配信者は新たなユーザーとブランドや広告主の架け橋になる存在です。彼らとタッグを組むことで、特定のコミュニティの中で、強いインパクトがある形でブランドのメッセージを伝えることができます」(アンダーソン氏)
講演の後半は、Twitchでインフルエンサーマーケティングを展開しているUber Japanの中川晋太郎氏と、人気ゲーム配信者のももち氏、チョコブランカ氏を迎えてパネルディスカッションが行われた。ここからは、その内容を紹介する。
配信者・マーケターが感じている「ライブ配信」の盛り上がり
――前半の講演では、ライブ配信市場の成長ぶりについて、アンダーソンさんから解説がありました。ももちさん、チョコブランカさんも、最近の盛り上がりを感じていますか?
ももち:そうですね。視聴者だけでなく、配信者もとても増えている印象があります。日本での認知もどんどん広まっているように感じています。
――配信者から見て、Twitchにはどのような特徴があるでしょうか?
チョコブランカ:視聴者の積極性があると思います。他のライブ配信サービスでは、コメント欄で視聴者同士の交流を禁止しているケースも多く見られますが、Twitchでは視聴者同士が配信の感想を共有しながら交流しており、各チャンネルに視聴者コミュニティができているのです。チャット欄のコミュニケーション自体を楽しんでいるのだと思います。
――中川さん、マーケティング媒体としてはどうでしょうか?
中川:Twitchに出稿した際に実施した調査では、他の広告プラットフォームに比べて、広告に対するエンゲージメントが5~6倍高くなりました。コミュニティが活発で配信者と視聴者の繋がりが強いため、「自分もメンバーの一員」というような意識がユーザーにあることから、ここまでエンゲージメントが高くなったのではないかと考えています。