消費者から選ばれるにはどこに着目すべきか?
松本氏が考えるビジネスの機会を作るジョブ・フレームワークは、(a)100人に聞いたら99人が「はい」と答えるようなニーズ、(b)ニーズから背景/場面/感情をおさえたジョブの提示、と進む。ユーザーはそのジョブを片付けるために様々な代替手段があり(c)、ジョブ解決のための提供価値、具現化した機能を提供するが(d)、それは手段の1つにすぎない。
松本氏は自身の行動を例にして説明する。朝一のゴルフでテンションを上げたいが、ノンアルコールビールは美味しくないし、アルコール度数3%の缶チューハイ(「ほろよい」)では男性同士の仲間内で恥ずかしい、ビールだと手元が狂うと考え、度数0.5%のビール(「ビアリー」)を選んでいる、という。「テンションを上げたい」というニーズに対し、様々な代替商品がある中で、最もフィットする商品を選んでいることになる。言い換えれば、「物やサービスを買ってはいるが、それ自体を買っているわけではない」となる。
目を配るべきは、「消費者から選ばれるトリガー(ジョブ)を把握すること」だ。トリガーを把握し、そこでマーケティング施策を通じて選ばれる確率を高め続けることができれば、LTV向上につながる、と松本氏。
先述の例では、癒やされたいと思った時に、数ある選択肢の中から温泉旅行が選ばれる確率を高める、朝一にテンションを上げたい時に、アルコール度数0.5%のビールが選ばれる確率を高めることで、結果的に売上の向上につながる。
AIを使ったソーシャルリスニング「KAIZODE」
ジョブを片付けるために選ばれる確率を高める、そのためには消費者の理解が必要になる。そのための手段が、マーケティングリサーチだ。
こうした調査はこれまでマーケティングリサーチ業界の独壇場だったが「ここ10年ぐらい、どこから得られても構わないという流れになっている」と松本氏。実際に、消費者を理解するための手法は、デジタルデータ分析、経営コンサルティング、ソーシャルリスニングコミュニティなど様々な分野からのアプローチがあり、「業界大変革時代にある」という。
最後に松本氏はJX通信社の「KAIZODE」を紹介した。KAIZODEはソーシャルリスニング型マーケティングリサーチサービスで、「何を買ったのかに重きをおくのではなく、なぜ買ったのかを把握するためのプロダクト」と説明する。
自然言語処理、動画解析、画像解析などのAI技術を利用して、SNSの投稿を利用計画中、利用中・直後、利用経験者、離反者とカスタマージャーニーに沿って自動的に分類する。これによりなぜ買われたのか、なぜ離反したのかが明らかになってくる、と松本氏。
KAIZODEの特徴は他にもある。インサイト要約機能として、ユーザーの投稿を要約することもできる。「文脈上不要な要素をなるべく取り除き、不満や未充足、あるいはその先にあるジョブ要素が残るようにAIによる要約を実現している」という。これにより、全部読むのが面倒というソーシャルリスニングのデメリットを解消し、消費者理解がしやすくなるとのことだ。
資料ダウンロードにより、実際にKAIZODEを使って自社のデータを見ることができるという。この機会にソーシャルリスニングを試してみてはいかがだろうか。
消費者理解で売上を伸ばす「KAIZODE」
曖昧で読み解くことが難しかったSNS投稿を、インサイトに沿ってわかりやすく要約する「KAIZODE」は、調査、分析、改善、実行にかかる時間を圧縮。さらに通常の調査ではなかなか出会えなかった消費者の「不満」「未充足」を発見します。