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「コンテンツは定点観測しながら育てていく」SEOのプロが語るリライトの作法

定量・定性で「コンバージョンへの近さ」を評価する方法

 コンバージョンに近いキーワードを定量的に把握したい場合は、ツールによるコンテンツの計測が必要だ。その際、一般的な「直接コンバージョン」の計測よりも「間接コンバージョン」で計測すると適切に測ることができるという。木村氏はこれによってオーガニック検索において中間接触したページも評価できると説明した。

 たとえば「SEO対策 費用」と検索し、上位に出てきたPLAN-Bのページを訪問したとしても、そのまま問い合わせるユーザーはそれほどいない。ほとんどの場合、比較するために一旦検索画面に戻り、他のページも見るからだ。最終的にPLAN-Bに問い合わせてみようと決めたら「PLAN-B SEO」などと検索することになるだろう。

 この時、直接コンバージョンで計測した場合、最後の「PLAN-B SEO」にだけコンバージョンが付いてしまう。一方で間接コンバージョンで計測すると「SEO対策 費用」で上位表示していたので「PLAN-B SEO」で指名検索があったのだと、包括的に評価できる。この考え方を間接コンバージョンという。

 木村氏は「当社のツール『SEARCH WRITE』の場合、直接/間接コンバージョンを選択できるのでとても便利に分析できます」と補足した。

 一方で、そもそもそれほどコンバージョンの出ている記事がない場合もある。その場合、マーケティングファネルやカスタマージャーニーマップを使い、定性的にコンバージョンに近い・遠いを把握するのが有効だ。

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 上図のようにマーケティングファネルを「潜在層」「純顕在層」「顕在層」の3つに分け、顕在層側がコンバージョンに近いという考え方だ。それぞれの層がどういった検索をするだろうかと考え、キーワードやコンテンツに落とし込んでいくと、スムーズにリライトが進むという。

意外と重要なコンテンツの「独自性」

 続いて施策を実行するDoのステップ。木村氏はよくある失敗として「改善したい指標と実行する施策が連動していないケース」を指摘。そしてこの失敗を避けるためのポイントとして、具体的な施策を紹介した(下図)。

 先述の通り、1~5位の記事はクリック率を高める目的でのリライトが必要になる。そのために必要な施策が、タイトル修正、ディスクリプション修正、サイトリンク設定だ。6~50位の記事については順位を上げていくことが目標のため、網羅性・独自性の加筆、タグ修正、内部被リンク設置といった施策が適切だ。

 いくつかの施策の具体的な方法についても説明された。

 タイトル修正においては、ユーザーの検索ニーズに応えることを目的として対策キーワードを入れ込み、全角27から32文字以内に収めるのが重要だ。クリックしたくなるようなキャッチーなキーワードを意識すると良い。たとえば「8時間でできる」「○○10選」など数字を入れたり「30代女性の方必見」「初心者でもわかる」と対象を明記したりすると効果的だ。ディスクリプションの修正も同じ考え方でできる。

 また、6~50位のコンテンツで必要になる「加筆」の方法も解説。「網羅性の加筆」と「独自性の加筆」の2つがある。

 まず「網羅性」とは、ユーザーの検索ニーズを網羅的に満たせているかどうかだ。網羅性を担保するためには、あるキーワードで検索した際に1~10位の記事に書いてある内容を参考にすると良い。Googleの考え方として、ユーザーニーズを満たす良質な記事が上位に表示される仕組みのため、既に上位にある記事は一定ユーザーニーズを満たせているということになる。

 実際に加筆する際には、自社の記事には書いていないが、上位表示されたサイトに書いてある要素をピックアップし、加筆していく。一方で独自性は、自社のオリジナル性があるかどうかが大事だ。上位の記事には書いていない内容で、自社ならではの情報や伝えたいことを加筆する。 木村氏は「網羅性の加筆で終わってしまうことが多いが、重要なのは独自性」と指摘。

 皆が書いていることを書いて順位が上がったところで、コンバージョンはなかなか出ない。そのため、網羅性については見出しレベルで簡単に決めていき、独自性の方に時間を割くのがおすすめだという。

 「マーケターの方であれば、セールスやカスタマーサポートにユーザーについて尋ねてみると良いです。『○○というキーワードでコンテンツを書きたいが、ユーザーはどんなことを気にしているか?』『独自性としてどんなものを出せそうか?』を聞いてみる。情報収集すると独自性はどんどん盛り込めますし、順位上昇にも問い合わせにもつながりやすいコンテンツになります」(木村氏)

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この記事の著者

尾高 志保(オダカ シホ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/07/26 10:00 https://markezine.jp/article/detail/38710

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