200店舗の退店と大赤字。コロナ禍で訪れた大ピンチ
──ジョイフルをはじめ、飲食業界はコロナ禍の影響を大きく受けたと思います。御社はどのような影響を受けたのか、またそれに対しどのような対策を講じてきたのか教えてください。
國吉:2020年3月から売上が一気に下降を示し、2020年4月~6月で数十億レベルの損失が出ました。また、その当時は大企業向けの助成金制度も整っておらず、6月末決算だったので、結果96億円の純損失となりました。創業から初めて、債務超過すれすれの経営危機に陥ったのです。
なんとしても事業を存続すべく最初に行ったのは、店舗の退店でした。グループで200店舗の退店を半年で行いました。また、社内コストを抜本的に見直し、店舗数の減少により不要になったサービスを削るなどしました。これらの施策のおかげで、正社員の雇用は守りながら事業を続けることができました。
売上を頂点に持っていくプロモーションの必要性
──そこまで苦しい状況が続いていたのですね。プロモーションに力を入れるようになったのはいつ頃でしょうか。
國吉:2021年になってからですね。会社の損益状況が取り組みを始めてから半年ほどで落ち着き、政府からの助成金制度も整い始めたことで、純資産が増加に転じました。資金調達もできるようになり、ここから売上を増加させるための施策を仕掛けようと考えました。
最初は位置情報を活用したデジタル広告に着手したり、アプリを開発したりしました。ただ、元々当社ではプロモーションがほとんど行っておらず、なるべく損益分岐点を下げること、値段を下げることに重きを置いてきたため、広告・プロモーションのノウハウがほとんどありませんでした。
その中で、広告コンテンツのプロデュース力を持つFIREBUGと出会い、一緒に取り組みを行うことになりました。