フォロワー数は70万、リツイート数も大幅に増加
MZ:こうした施策の結果、どのような成果が得られたのでしょうか。
川中嶋:まず、Twitter上の数字だとフォロワー数が約70万に到達しました。1年間で20万の増加です。フォロワー数が増加したことで、普段の投稿のリーチが格段に広がりました。
また、リーチだけでなくエンゲージメントも深まっています。2021年4月時点の1ヵ月の投稿に対するリツイート数はキャンペーンを除くと約4,000件でした。しかし、2022年3月末にはリツイート数が3万件近くになっており、大幅に増加しました。さらに、お客様からもリプライなどを通じてポジティブな反応をいただけるようになりました。
山中:ユーザーからのメンションやコメントなどのデータを2020年4月~2021年3月までと2021年4月~2022年3月まででポジネガ分析したところ、ポジティブの比率が上がっていることがわかりました。
MZ:1年間、Twitterの活用を強化してみて、どのような学びや気付きがありましたか?
川中嶋:まず、企業アカウントの中の人が自己開示をすると、お客様側も自分のことを教えてくれることがわかりました。企業に対して自分のことを教えるのはハードルが高いと思います。先ほどの愛犬の日の例もそうですが、企業から「自分たちはこうしているけど、みなさんはどうですか?」と会話のきっかけを作ることで、お客様もそれに応えてくれるのだと感じました。
次に緊急アナウンスツイートの重要性です。災害や電波障害が発生すると、情報を求めるためにTwitterを見る人は多いと思います。そこに対し、企業アカウントが適切な情報を流すことで安心につながることがわかりました。
そのため、今後も企業として伝えなければならないツイート、お客様との距離を近づけるためのツイート、双方のバランスを取りながら信頼されるアカウントを目指していきたいと考えています。
日本を代表するTwitterアカウントに
MZ:山中さんにお伺いします。今回、ドコモさんが大きな成果を上げたことについて、その要因はどこにあるとお考えですか?
山中:通常、オーガニックのアカウント運用は誰か1人が独自に展開しているケースが多いのですが、NTTドコモさんは戦略的かつ真摯に、しかもチームで取り組まれていたことが成功の要因だと思います。オーガニックをベースにしながら、必要があれば多くの人に届けるために広告も活用していく。そのバランス感も重要です。
また期初にゴールをしっかりと定め、できていることやできていないことを明確にしながらPDCAを回している点も素晴らしいです。Twitterを活用する目的や目標は様々ですが、アプローチの仕方は他の企業でも取り入れることができると思います。
MZ:今後、どのようにTwitterを活用していくのか教えてください。
川中嶋:目指すべき姿、あるべき姿として「安定した企業発信」と「中の人による温かみと親しみのある投稿」のバランスが取れた、日本を代表するアカウントと定めています。お客様ともコミュニケーションを図るし、企業発信も真摯にやっていく、このバランスを取ることがドコモのあるべき姿だと思っているので、そこを目指して施策に取り組んでいきます。