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メタバースビッグバン、次々に生まれる世界をどう活用すべきか?

思い出に残るオンライン体験を作りたい、三越伊勢丹のメタバース「REV WORLDS」の現在地と未来


リアルアセットを持つ三越伊勢丹だからこその安心感

山田:協業先の企業様はどのようなところでしょうか。

池田:ウォルト・ディズニー・ジャパン様とは1年近く一緒に取り組みをしています。また、トヨタ自動車様とのコラボレーションでは商品販売ではなく、展示やプロモーションを展開しています。通常接点を持ちづらい顧客層との新たなコンタクトポイントとして喜んでいただけています。

河田:他にも、吉本興業所属のお笑いコンビEXITさんなど、多岐にわたるジャンルの企業様とコラボレーションさせていただいています。

池田:バイヤーや各カテゴリーの計画担当、グループも含め、イベント誘致の部門や不動産事業、SC事業部など様々なチームと連携して取り組みを進めている点が特徴かもしれません。企業様からは「安心安全なメタバース事業」と認識していただけ、新しいことにトライしていただけるといったシナジーが生まれています。

メタバースからの送客、CTRはバナーやメルマガの約3倍

山田:データ面ではどのようなことが把握できるのでしょうか?

池田:ダウンロード数やユーザー数のほか、ユーザーの行動データを取得しています。また、アプリログイン時のアンケートにより、ユーザーの属性(性別など)も把握しています。

 CTRに関しては、通常のメルマガやサイトバナーなどに比較して、およそ3~4倍の高さである点も1つの大きな魅力です。週1回、チーム内で数値を共有して、広報活動やコンテンツの内容につなげています。

UI/UXは「セレンディピティ」と「誰でも簡単に」を重視

山田:従来の2Dのサイトと比較して3Dを作るにあたりUX、UIはどのように変化したと感じられていますか。

池田:まずUXに関しては、セレンディピティがポイントです。ECサイトでは、目的の商品にスムーズに導かれて、スピーディーで便利なお買い物ができることが求められます。一方、REV WORLDSでは、あえて歩かないと目的地にたどり着けない動線になっています。ゴールに着く前に、たまたま目に入ったものを気に入って買ってしまう。その結果、最初に意図していた商品より満足度が高くなるという経験は、リアルではよくあることです。けれどもECサイトでは起こりにくいです。「たまたま」をバーチャルでも起こそうとしているのが私たちの大きな特徴の1つです。

 UIに関しては、「その時代の技術の中で、誰でも簡単に操作できること」を意識しています。たとえばボタンの数や視覚的な見え方などを極力わかりやすくし、あえてスマホアプリ・縦画面にすることで、移動中などでも片手操作で気軽に遊べるよう意識して作りました。

山田:ちなみに、あえて捨てた機能はありますか?

池田:「コミュニケーションを軸に運営する」ために、サービス自体を、「誰でも簡単に」「幅広い方々に」触っていただくことが重要でした。ですからスペックの高いパソコンや、高いデジタルリテラシーが不要な、日常で使っているスマホを操作の媒体にしています。

 高精細なクオリティはあえて捨て、スマホの親しみやすいトンマナとデータ容量、機能に合わせたものにしました。今後、コミュニケーションを活性化する機能やコンテンツに関しては強化をしてきたいので、たとえばボイスチャット機能の強化やライブ機能の開発などもしていきたいですね。もちろん、将来的にはスマホ以外のデバイスの利用も考えています。

 また、現状のREV WORLDSにはクリエイターのマーケットはありません。我々の1つのテーマである「安心安全」が揺らぐと考えたからです。しかし、今後はユーザー発信のコンテンツにも触れられる場にできればと思います。弊社とクリエイターの両方の利益になることならトライしたいですね。

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この記事の著者

山田 輝明(ヤマダ テルアキ)

NRIネットコム株式会社 クラウドテクニカルセンター 副センター長 兼 営業DX推進担当

2009年にNRIネットコムに入社。デジタルマーケティング事業を立ち上げ、特にGoogleアナリティクス、デジタル広告に関するビジネス拡大に注力。2018年にNRIネットコムから一旦退出し、株式会社MeeCapを設立、スタートアッ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/08/24 12:59 https://markezine.jp/article/detail/39530

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