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事例で学ぶ、Z世代・ミレニアル世代へのアプローチ

ユーザー目線を持ち、あるときは「中立」で。ドンキに聞いた、若年層に響くSNSの使い分け

「もったいない」で始まったYouTubeのリニューアル

久保:御社ではYouTubeの公式チャンネルをリニューアルされていました。その経緯やコンセプトの決め方について教えてください。

さとぺん:2021年7月2日に『ドンキ公式チャンネル』から『DonTube【ドンキ公式】』にリニューアルしました。

画像を説明するテキストなくても可
株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス ストアプロモーション本部 SP企画部 プロモーションサポート課 サブマネージャー ドン・キホーテ公式YouTubeチャンネル『DonTube【ドンキ公式】』担当 さとぺん氏

さとぺん:そもそも、リニューアル以前のチャンネルではドンキ全体として特に何か企画をしておらず、各店舗にある動画の倉庫のような状態でした。YouTubeで配信する動画は、その他のプラットフォームのコンテンツよりも長く、ある程度自由に自分の好きなことを発信できるものです。こんなプラットフォームを使わないのはもったいないと、ひとまず週に1本アップするところから始まっています。

 コンテンツの内容は自由ではありますが、「ドンキ」を絶対的な軸としています。動画を観た方がドンキのやっていることを知って「おもしろい」と思ってもらえたらと始めました。

企画は自分が興味を持ち・納得できるもの

久保:YouTubeで登録者数や再生数などの様々な数値を伸ばすために、トピック選びで意識されていることはありますか?

さとぺん:実はYouTubeでは、若年層だけを意識して作っている訳ではありません。たとえば、ドンキの惣菜、お弁当づくりの裏側を取り上げた動画があるのですが、それも特に若年層だけを意識したものではないです。

さとぺん:私自身ドンキの社員なのであまり言うのも良くないのですが、「ドンキの弁当って大丈夫かな……」「ちょっと心配だな……」みたいなことを思われているのでは?と(笑)。でも、きちんと裏側を知ったら「意外にドンキちゃんとしてるじゃん!」と思ってもらえておもしろくなるのでは?そう考えて作りました。

久保:なるほど(笑)。お客様が「実はそう思っているかもしれない」を探るんですね。

さとぺん:これまでチューナーレスTVの動画が一番伸びましたが、二番目に伸びたのが、ブランド品が本物かどうかを取り上げた動画です。私もブランド品を担当していた頃は、お客様に日常的に聞かれることがありました。確かに安いですが、極端に安いようなものではないので、そこに不安があるのかなと思います。その不安を解消する「安さの理由」をきちんと説明できる動画ですね。

 元々、フォーマルに説明している動画はあったんです。それをYouTube的に作り直すことで受け入れてもらえましたね。

久保:若年層、その他の層を問わず言えることですが、ちゃんと興味を持って、自分が納得できる内容かどうかを見極めてコンテンツのトピックを選んでいるから、その納得感をより自然に伝えられるんですね。

社内・社外の反応を土台に次のフェーズへ

久保:会社から求められる成果やKPIはどのようなものですか?

さとぺん:元々、ドンキが好きな人を増やそうといったゆるい感じでしたが、チャンネル登録者数や再生数がKPIとして置かれています。登録者数はこの1年で1万6,600人(※取材時)ほどまで伸びました。

 これをさらに増やすために、たとえば他のチャンネルの方とのコラボ、Twitterなどでつながりのある企業様とのコラボを今後できればと考えています。また、YouTubeショートはまだ活用できていないので、チームに人を増やして取り組めば、数字も伸びていくと思っています。

 認知を集めることで言うと、社外だけでなく、社内での認知も徐々に広がっています。たとえば、社内からPBの動画を一緒に作ってもらえませんか?といった連絡が来るようになりました。

増田:他社メーカー様からも、ドンキのSNSで投稿してくださいというお話が、以前に比べて増えてきています。実際に様々なメーカー様から直接電話をいただくことが多くなってきました。

 それだけ見てくれている人がいるということなので、これも活動に対する評価の一つとして数えても良いのではないかと思っています。

久保:私たちが企業様のご支援をさせていただくときには、露出の広がりとして再生数、PRバリューとして動画がどう発生したのか、コメント数でユーザーの愛着やコミュニティがどう生まれているか、といった成果を測っています。今実践されていることはすべてこれらの成果につながっていそうです。

 KGIに想起率の向上を置き、そのKPIとしてコミュニケーション量やアクション数を見ていくのは重要ですね。

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解説には「音」づくりが必要。コメント返信は接客だと捉える

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/09/15 09:00 https://markezine.jp/article/detail/39583

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