SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

BtoBマーケティングの開拓者たち

テレビCMの効果を最大化するためにデジタル担当が果たすべき役割

テレビCM効果を最大化するためにデジタル側で準備したこと

 TOKIUMは、2022年7月、テレビCMの放映を開始しました。その効果を最大化するために、デジタル側では3つのことに取り組みました。1つめは「サービスサイトのリニューアル」、2つめは「社名・およびサービス名の変更にともなうリブランディング」、そして3つめは「テレビCMのクリエイティブをWeb側で連動させる準備」です。

サービスサイトのリニューアル

 1つめは、今後のサービス展開に合わせたサイト設計にすることです。TOKIUMでは、経費精算クラウド「TOKIUM経費精算」や請求書受領クラウド「TOKIUMインボイス」など複数のサービスを展開していますが、それぞれが独立したシステムではなく1つのクラウドシステム上で、経費精算や請求書にまつわる業務管理を行うことができます。今後も、1つのシステムに法人支出管理(BSM)領域でサービスを拡張していく方針を採っているため、サービスサイトの構成もサービスに合わせる必要がありました。

 具体的には、まずは1階層目に支出管理クラウド「TOKIUM」としてTOKIUMのサービス群を一覧で確認できるページを設置しました。2階層目に、TOKIUM経費精算やTOKIUMインボイスなどの個別のサービスページを並列に置く構造に変更しました。

 この構造に変更することで、今後、サービスが増えたときにもサイト構造を変更しなくてもページを増やすことができるようになりました。

 次に、テレビCMやタクシー広告などのマス広告・オフライン施策の受け皿として、サービスサイトを来訪した方に問い合わせしてもらえるよう、情報を整理し、CVRを上げることに取り組みました。

 経費精算や請求書受領など、単一の部署内で検討できるものではなく、会社全体に影響のあるシステム・サービスの特性として、広告を見てすぐにWebサイトから問い合わせをするというケースはそれほど多くありません。他社が提供している類似サービスと比較検討した上で慎重に問い合わせいただくことが多いため、何度もサイトに訪問していただくことを前提にし、サイトの構成を考える必要がありました。

 具体的には、①わかりやすいサイト構造にし、訪れた人が迷わないようにすること、②色数をいたずらに増やさず、何度も閲覧する人にとってストレスのない落ち着いたトーン&マナーにすること、③下層ページまで情報を充実させることなどに配慮しました。それらを整えることがCVRの向上に寄与すると考えました。

リブランディングで認知拡大を図る

 リブランディングに至った理由の1つとして、テレビCMを実施するにあたってサービス名を再度検討したことが挙げられます。サービスの価値がまっすぐ伝わる名称に変更し、社名およびサービス名の認知拡大を図るという狙いがあり、時間を生む=「TOKIUM(トキウム)」に変更しました。

 今後も皆様のニーズに応えて追加されていく予定の各サービスが、それぞれに独立して誕生し存在しているのではなく、統一された「TOKIUM」ブランドの中で有機的に展開していくために、社名およびサービス名を変更することを決定しました。

 リブランディングの中で苦労したことはWeb上に無数に存在する旧社名・旧サービス名の洗い出しから修正することでした。ロゴの納品が予定より遅れたこともあり、1〜2週間という短い期間で差し替えを行う必要がありました。特に、外部サイトに掲載していただいている社名や、画像データ内に配置されているロゴや文言を1つひとつ洗い出して修正する作業は特に大変でしたが、文字通りチーム一丸となって乗り越えました。

 また、「TOKIUM」や「トキウム」と検索した際にGoogleの検索画面上で上位に表示されるかどうかもかなり慎重に準備しました。具体的には、(1)タイトル・ディスクリプション・h1などのメタタグの差し替え、(2)内部リンク・被リンクの修正、(3)テキストやアンカーリンクの修正、(4)サイトマップの送信・インデックス登録リクエスト、などです。

 サービス名を変更し、もちろんすぐに検索画面上に反映されることはないとわかっていたのですが、気になってしまい、祈るような想いで繰り返し何度も何度も検索しました。幸い、2日目で最上位表示をさせることができたため、名称変更での大きな損失がなくリブランディングが実施できたことは大きな自信につながりました。

テレビCMと連動したWeb側の準備

 テレビCMは、より多くの方々にサービスを知っていただき、指名検索を最大化させる目的で検討を進めました。当時、Web広告の改善がかなりうまくいっていたため、より認知を広げるためにテレビCMの実施を検討しました。

 ただ、テレビCMを流すことで、自動的にコンバージョンや受注が増えるわけではないため、2つのポイントで準備を整えました。1つめは、テレビCMを打った際にどのキーワードでどれぐらい流入が増えるかを予想し、どんな準備をすべきかを洗い出しました。2つめは、先行してテレビCMを実施している企業の担当者にアドバイスをいただいたり、サイト構成を参考にしました。特に、テレビCMを流したタイミングでは、スマホ経由の指名検索が増加するため、着地先のページのデザインや構成には特に気を配りました。

具体的なWeb側での準備

  • ・ウェブサイトのファーストビューにテレビCMのクリエイティブを表示し、離脱を防ぐ
  • ・広告経由のランディングページの新規作成
  • ・CMを紹介する特設ページの準備・スマホ版のページの最適化

 今回、テレビCMで起用したタレントさんにWebページやバナー広告にも登場していただいています。事前にどのような場所・カットを使用したいかを細かく洗い出し、リストにまとめ、撮影前に広告代理店側とすり合わせを行ったことで、スムーズにクリエイティブの準備を進めることができました。

 撮影後にテレビCMと連動したクリエイティブ展開をしようと取り掛かっても、再撮影することは難しいため、テレビCMの企画段階からWebでの展開を予測しながら事前の準備を進めることが非常に大切であると学びました。

テレビCM施策のさらなる改善に向けて

 この度のテレビCM実施にあたって、社内外で多くの方にお話をうかがい、親身になって協力していただきました。特に、社外の既にテレビCMを実施されている企業の方々は、自社の過去の経験や実績、今感じている課題などをオープンにお話していただき、応援のお言葉をいただくことばかりでした。TOKIUMは初めてのテレビCMが放送開始したばかりなので、まだまだ改善の余地がたくさんあります。しっかりと今回の学びを活かして次につなげていきたいです。

COLUMN マーケターとして意識して取り組んでいる3つのこと

 TOKIUMに入社して、社内で利用しているSaaSサービスの多さに衝撃を受けました。さらに、サービス理解もユーザー理解もままならない状態であったたため、いち早く戦力になるために3つのことを意識しました。1つめは、勉強量。受験生さながら「StudyPlus」を使って1日に2時間ほど必ず勉強の時間を作っています。2つめは、とにかく社内の人とコミュニケーションを取ることです。一時期、毎日誰かしらをオンラインランチに誘っていたので、皆さんから「新田ランチ」といじられていました(笑)。最後は、積極的に社外の方、特に自分たちよりも先のフェーズにいるSaaS企業の方々にアドバイスをいただいたことです。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
BtoBマーケティングの開拓者たち連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

新田 朋也(ニッタ トモヤ)

株式会社TOKIUM ビジネス本部 マーケティング部 メディアチーム
BtoC向けのWebメディアを運営する企業にて、Webマーケティング業務に約3年半従事した後、2021年10月にTOKIUMに入社。マーケティング部にて、オーガニック経由の問い合わせ数をKPIに問い合わせ数最大化のための戦略策定から実行までを担当。サービスサイ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/08/30 08:30 https://markezine.jp/article/detail/39771

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング