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[最終回]どのように3つの言葉に収束させたのか 行動指針決定の最終プロセスを一挙公開

日常使いに向けたデザインの継続的なコミット体制へ

 ワークショップの実施やバリューの策定はあくまでスタートラインであり、1人ひとりが自分ごと化しながら、いかに日常的に使ってもらえるものになるかが重要です。

 日常化していくフェーズにおいても、全社ボトムアップでアウトプットし収束された言葉をひとつのプロダクトとして捉え、そのコミュニケーションデザインにデザイナーが継続的にコミットしていくことが、理解や共感を生むことにつながるでしょう。

 たとえば、その言葉が持つ価値や意味をより伝わりやすくするためにキャッチーなビジュアルを作成したり、機能として使いやすくするためのエッセンスを詰め込んだロゴのようなSlackスタンプを作成するといったアイディアが考えられます。

 とにかく日常的に使ってもらえるようにするという意味では、アウトプットして終わりではなく、そのあとに日常化していくフェーズでも、デザインで継続的にコミットすることが重要になります。ヘイでは人事チームとデザインチームで浸透施策について企画レベルから一緒に考えていく定例を設け、密に連携しながら、早くそして小さな改善を繰り返していけるような体制を構築しています。

バリューの言葉をイメージしたSlackスタンプとバーチャル背景のデザイン。heyのミッションであるJust for Funをイメージし、楽しさが感じられるようなものに。
バリューの言葉をイメージしたSlackスタンプとバーチャル背景のデザイン。heyのミッションであるJust for Funをイメージし、楽しさが感じられるようなものに。
バリューの言葉をイメージしたグラフィックとポスターのデザイン。スタンプのカジュアルさとは少し趣向を変えてバリューに込めた意思の力強さを表現。このようにさまざまなトーンのものを制作することで、日常使いで飽きないようなツールをデザインした。
バリューの言葉をイメージしたグラフィックとポスターのデザイン。スタンプのカジュアルさとは少し趣向を変えてバリューに込めた意思の力強さを表現。このようにさまざまなトーンのものを制作することで、日常使いで飽きないようなツールをデザインした。

People Experienceにもっとデザインを

 これまでの連載の中で、多様なデザインの力を組織文化づくりに関わる体験に応用していく取り組みを紹介しました。

 コミュニケーションデザインを通じて全社での関心を高めたり、UXデザインでワークショップの体験そのものをより良いものに変えたり、ビジュアルデザインでアウトプットされたものに対する理解や共感を高めることに寄与したり。デザインが持つ力は、“社外”の顧客体験だけでなく“社内”の体験や組織文化づくりにも活用していくことができます。

 ストレングス・ファインダーの開発で有名なジム・クリフトン氏は「組織文化は、その企業のブランド(従業員や顧客がその企業をどう見ているか)を決定づけます」(※)と述べています。

 人事領域とデザイン、一見関わりがなさそうでも、人々へのサービスや体験づくりという大きな視点で見るとアプローチの仕方は同じであり、最終的には企業の「ブランド」という価値につながっていると言えるでしょう。

 組織文化を強化していく上で、People Experience(はたらく人々の職場における体験、以下PX)の重要な要素としてデザインを位置付けることで、PXの質の向上にもつながります。そしてそのPXがより良いイノベーションやより良い顧客体験を生み出す源泉となり、顧客からの高い期待に応え、ブランドのプロミスを果たしていくことにも寄与していく。人事、経営、デザインの密接な連携は、大きなインパクトを生み出すことができる可能性を持っています。

 これまで解説してきたヘイでの取り組みが、人事領域のかたにとってはデザインを積極的に活用していく視点の、デザイナーの視点からは人事や組織領域に挑戦していく際の一助になれば幸いです。

※『ザ・マネジャー 人の力を最大化する組織をつくる ボスからコーチへ 』ジム・クリフトン (著), ジム・ハーター (著), 古屋 博子 (翻訳)  日本経済出版 P45

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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MarkeZine(マーケジン)
2022/09/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/39998

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