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[最終回]どのように3つの言葉に収束させたのか 行動指針決定の最終プロセスを一挙公開

言葉に込めるストーリーをつくる

 いくつか言葉のパターンを出していきながら最終的なものにしていく上で、何を基準に決めていくのか、どのような言葉であれば共感できるのか。そのための軸として言葉にどのような意味を込めるのか。その“ストーリー” が重要になってきます。

 ここでいうストーリーとは、言葉を見たり聞いたりした時に、その先にどのような “意味” や “価値” を想像するかということです。

 言葉ひとつとっても、人によって伝わりかたや感じかたは千差万別です。言葉はひとつの箱のようなもので、そこにどんな意味を蓄積していくかの意図を持った設計が重要になります。言葉という箱に意味を蓄積していく点では、ロゴのデザインをイメージしてもらえるとわかりやすいでしょう。抽象的ものがあってそこにストーリーを込めていく観点においてはロゴデザインと共通点があります。

 ロゴデザインも造形的な美しさは重要ではありますが、むしろそれ以上にロゴから想起される意味や価値のほうが重要だからです。

 言葉に意味が蓄積されることで言葉に価値が感じられるようになり、それが自分たちの言葉だと感じられるようになること。言葉としてのキャッチーさやユニークさも重要ですが、その先に意味するものは何かを補足する文のほうがむしろ重要であるとも言えます。

 ヘイでは言葉単体の組み合わせで考えるのではなく、まず経営メンバーでどうありたいかのストーリーの長文を改めて書き出し、それらをエッセンスとして抽出したものにしていきました。そのエッセンスをもとに、感覚的に組織文化らしい言葉かどうかを組み合わせていきながらも、どのように意味を込めていくかを論理立て、ロジカルと感性のバランスを見ながら最終的な言葉に落とし込みました。

バリューに込める想いを、経営メンバーが書き出した長文と、言葉のエッセンスとして抽出した過程のMiro。抽出プロセスでは言葉単体だけでなくビジュアライズも含めて検討することで、言葉とビジュアルが相互に作用するようにしながらストーリーがブラッシュアップされるように進行。
バリューに込める想いを、経営メンバーが書き出した長文と、言葉のエッセンスとして抽出した過程のMiro。抽出プロセスでは言葉単体だけでなくビジュアライズも含めて検討することで、言葉とビジュアルが相互に作用するようにしながらストーリーがブラッシュアップされるように進行。

最終プロセスにおける振り返りとビジュアライズの重要性

 2回目の発散と収束を経て、いよいよ最終的にできた言葉を全社に発表していきます。この最終プロセスにおいて重要なのは振り返りとビジュアライズです。

 これまでのプロセスをきちんと全社で一緒に振り返り、なぜボトムアップで決めていったのかの意図や、バリューに対する重要性の目線を合わせることで、新しい言葉に対して前向きなマインドセットを持ってもらえるようになります。

 ビジュアライズは、最終化された言葉をできるだけ解釈のブレなく伝わるように、イラストやグラフィックなどをフル活用し、発表時のスライドのコミュニケーションを適切にデザインすることで、理解度や共感度を高めることができます。

 ビジュアライズの例を挙げましょう。ヘイで重視するバリューの要素として「スパイラル」というものがあり、その言葉に込めた意味としてどんどんスパイラルアップという意図が込められていました。そこで、ビジュアルとしてもスパイラルをイメージしたイラストで補足することで、第一印象のタイミングで意図が伝わりやすくなるような工夫をしていきました。

 ヘイで最終的にできた言葉は「オールスター」「挑戦スパイラル」「デリバリーアニマル」の3つ。結果として、言葉の最終化プロセスの過程で経営環境が大きく変わり、経営としての意思も大きく変化していったため、最終的に決まった言葉は、ボトムアップで決定したものと少しニュアンスが異なるものになっていきました。ただ、経営としての強い意志が込められたことで、一段階目線が上がるようなものに仕上げることができました。

最終バリュー発表時のスライドの一部。これまでの経緯を振り返り目線を合わせながら、それぞれの言葉に込めたストーリーがよりイメージしやすくなるようにイラストを活用。
最終バリュー発表時のスライドの一部。これまでの経緯を振り返り目線を合わせながら、それぞれの言葉に込めたストーリーがよりイメージしやすくなるようにイラストを活用。

 これらの最終決定は、アンケートなどの事前質問などもふまえながら全社で丁寧に説明を繰り返し設けながら広く共有し、プロジェクトとして区切りをつけていきました。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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2022/09/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/39998

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