※本記事は、2022年9月25日刊行の定期誌『MarkeZine』81号に掲載したものです。
企業の存在意義は「社会への提供価値」にある
——はじめに、才流についてご紹介ください。
才流は「メソッドカンパニー」をビジョンに掲げ、BtoBマーケティングのメソッド発信およびコンサルティングを主軸に事業を展開している会社です。ここで言うメソッドとは「再現性のある方法論」と定義しているもので、日々のコンサルティング活動を通して培ったノウハウをメソッドに落とし込み、様々な領域でコンテンツを発信しています。これまでは私含めコンサルタントみんなでコンテンツの制作・発信を行ってきましたが、今ちょうどコンテンツマーケティングを専門的に行うチームを作ろうとしているところです。
——才流は働き方や組織管理において独自のスタイルを貫かれています。栗原さんはどのような組織を理想とされているのですか?
才流を経営する上で、すべての前提にあるのは「会社や事業の存在意義は社会への価値提供にある」という考えです。働き方や組織管理において行っている様々な工夫も、すべては「社会への提供価値を最大化できるように」という考えのもとにあります。
理想とする組織の形態について私がどうこう言うのもおこがましい話ですが、社会への価値提供に、組織を構成するメンバーの意識や時間が限りなく100%に近い水準で配分されている、という状態が理想であると思っています。
普通に会社で働いていると、社会への価値提供に関係ないことって、たくさんありますよね。たとえば、社内政治や出世の問題に意識が向いていたり。毎日・毎月の営業のアポイント数、人事評価や稟議や報告書の作成、創業記念パーティーなども、提供価値にはあまり関係ありません。これらの要素をゼロにしていくと、理想の組織に近づいていくのではないかと思っています。実際に、才流には「人事評価」が一切ありません。人事評価制度を作り、運用することには多大な時間がかかりますが、その時間を社会やお客様への提供価値をどう最大化するか、に使いたいと考えているからです。それでも社会や市場という広義の意味での社会と、対・お客様という狭義の意味での社会にみんなピュアに向き合えていると思っています。