新興メディアに投資する予算を確保
──ここまで2023年の変化を予想していただきましたが、これらの変化に対しマーケターはどのような視点を持って広告の配信先を選定すべきなのでしょうか。
今に始まったことではありませんが、トレンドをいち早くキャッチアップして新しいプラットフォーム・メディアへの広告配信を試すことが重要です。新しい広告配信先は競争が少なく、入札も多くないので低いCPCで運用することができます。グローバル企業の多くは、10〜15%の予算を新興メディアに投資するために確保しています。
日本の場合、競合他社が導入するまで様子を見るケースも見かけますが、もったいないです。メディアと広告主の間に立つ広告代理店も広告主に対して新しい配信先にチャレンジすることを啓蒙できるといいですね。
断片化が進むと運用者の価値も高まる
──最後に広告に携わるマーケターにアドバイスをお願いします。
広告配信先の断片化が進むと、メディアの選定や運用が大変になり、チャレンジが求められます。しかし、その分大きなチャンスを得られる機会もあります。
また、リテールメディアやX-メディアのように事業会社が広告事業を立ち上げる動きが加速すると、戦略を考えたり運用を担ったりする人材が求められます。広告運用の自動化は進んでいるものの、適切な設定やデータの連携、顧客理解に基づいた運用戦略など、運用者の業務は高度化しています。広告運用に携わる個人・企業にとって活躍の場は広がっているので、ぜひこの断片化の時代を楽しんでもらえればと思います。
