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特集:2023年・広告の出し先

2023年は広告の断片化が加速。台頭する3つの広告配信先

要注目は「Microsoft Advertising」と「Pinterest」

──杉原さんは、どの企業の広告事業に注目していますか。

 特に注目しているのはマイクロソフト、その次に注目しているのはPinterestですね。マイクロソフトは、EC向け広告システムを提供するプロモートIQを2019年に買収し、2022年には、Netflixと広告付きの新サブスクリプションプランに関する提携を行っています。また、BingからMSN、Xbox、ブラウザのEdge、LinkedInまで多様な事業を展開しています。その上、クラウドサービスのAzureとも連携できる可能性もあるので、財力、プロダクト、技術力すべてが揃っています。

 Pinterestは、規模としては小さいですがShopifyとの連携を開始するなど、ECの窓口になろうとしています。この動きは他のプラットフォームでも進んでいますが、Pinterestならではだと感じるのは、シームレスに商品を見つけて購買するところまでをPinterestで完結できるようにしている点です。

 加えて、アタラでも複数社のPinterest広告に関する支援を行っており、そのパフォーマンスも良いので今後も期待したいと思っています。

──パフォーマンスが良いとのことですが、具体的には何が魅力なのでしょうか。

 直接コンバージョンに至るまでは時間がかかるのですが、コンバージョン手前の部分でPinterest広告に接触しているケースが多く、間接効果が高い点が魅力です。

──マイクロソフトもPinterestもともにプラットフォーマーですが、それ以外に国内で注目している動きはありますか。

 まだ、具体的に動きがあるわけではありませんが、日本独自のリテールメディアネットワークが形成されていくかどうかには注目しています。海外ではAmazonやウォルマートなどの大手がリテールメディアのシェアの大半を占めています。

 しかし、日本は地場のスーパーや百貨店の存在感が大きく、海外とは違う動きが起きると予想しています。各社が単体で広告事業を立ち上げてもリーチの規模が足りず、上手くいきません。ただ、複数社がパートナーシップを組んでリテールメディアのネットワークを形成すれば十分にマネタイズできる可能性があります。これは日本独自の動きなのではと注目しています。

事業会社がアドテクノロジー企業を買収して自走

──プログラマティック広告やアドテクノロジーに関する話題は減ってきたように感じているのですが、その点に関してはいかがでしょうか。

 アドテクノロジー事業者ならではの活躍の場はあると考えています。たとえば、Criteoはリターゲティングを中心としたビジネスを行っていましたが、現在は小売業者のリテールメディア化を支援するソリューションを提供して新しい収益を獲得しています。

 また、海外ではプラットフォーマー依存を回避するために大手広告主がアドテクノロジー企業を買収する動きが進んでおり、アドテとも連携できる可能性もあるので、財力、プロダクト、技術力すべてが揃っています。

 Pinterestは、規模としては小さいですがShopifyとの連携を開始するなど、ECの窓口になろうとしています。この動きは他のプラットフォームでも進んでいますが、Pinterestならではだと感じるのは、シームレスに商品を見つけて購買するところまでをPinterestで完結できるようにしている点です。

 加えて、アタラでも複数社のPinterest広告に関する支援を行っており、そのパフォーマンスも良いので今後も期待したいと思っています。クノロジー事業者の役割や立ち回りが変わってきていると感じています。

──直近ではオーディオ広告やコネクテッドTV広告など、マス媒体由来のデジタル広告に対する期待も高まっているように思います。これらの広告はどのようになっていくと思いますか。

 マス広告やOOHなどのオフライン広告のデジタル化は今後も加速し、主戦場になっていくと感じています。直近ではGoogleがディスプレイ&ビデオ360でDOOH広告(デジタル屋外広告)の配信を可能にしており、国内でもジーニーのDOOHプラットフォーム「GENIEEDOOH」が連携を開始しました。今後国内のパートナーも増えていくと思います。

 このような動きが様々なメディアで起こり、手元からあらゆるメディアに対して広告配信できるようになっていくでしょう。

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新興メディアに投資する予算を確保

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/02/09 15:38 https://markezine.jp/article/detail/40349

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