マーケターのキャリアに、新たな道と可能性を作っていきたい
MZ:多種多様なプロフェッショナルがいる中で、マーケターにフォーカスすると、具体的にどのような人材をマーケティングのプロフェッショナルとされていますか?
長谷川:今、MOON-Xで目指しているのは「ブランドマネージャーの進化版」とも言える、新しい職種の道を切り開くことです。MOON-Xで手掛けているブランドは、そのカテゴリもビジネスモデルも様々です。必要であれば、デジタルを活用したマーケティングコミュニケーションを展開しますし、グローバルで勝負をかけることもあります。
一般的に「ブランドマネージャー」というと、PLの責任を持ちつつ、消費者と向き合ってマーケティング活動やブランド作りを考えるといった役割をイメージされる方が多いと思います。しかし、これからの時代は、ブランドマネージャー自らデジタルの部分に対応できる、テクノロジーを使える素養も必要だと思うのです。
反面、今のデジタルマーケティング業界を見ると、どうでしょうか? デジタルに閉じた業務を任されていないでしょうか? 今、マーケティング業界では、「マーケティング戦略を描いて組織を作ることができる/マスマーケティングが展開できる人材」と「デジタルマーケティングの世界でテクノロジーを使いこなせる人材」の二分化が起きていると僕は見ています。
時代の流れを考えると、どう考えても次世代で必要とされるのは、「デジタルも理解できて、マーケティング戦略も描ける人材」です。MOON-Xでは、この2つを融合する形で「ブランドマネージャー」を定義しています。
MZ:マーケター自身、スキルとキャリアの二分化には悩んでいる印象があります。マーケティング戦略の上流のところから携わりながら、深く現場にもコミットできるという環境は魅力的です。
長谷川:PLに責任を持ちつつ、テクノロジーを活用してビジネスを成長させ、作り手と消費者と近い距離感でブランド作りに携われる……マーケターにとっては、最高におもしろい仕事があると思っています。
グローバルで活躍できる人材とは?
MZ:もう少し人材育成について聞かせてください。長谷川さんは、これまでグローバルで活躍するトップタレントをたくさん見てこられたと思います。そこでお聞きしますが、グローバルで活躍できる人材とは、どのような人だと思われますか?
長谷川:国や文化、企業カルチャー、ビジネス規模、業種業界……。それぞれが異なる多様な環境に身を置けたことは、本当にラッキーだったと思います。そうした経験の中で学んだことは、結局、優れたビジネスの戦闘力を持つ人は「地域や業界、ポジションに関わらず、いつもどこでも結果を出せる人」であり、そのために必要なスキルは普遍的なものであるということです。
MZ:その普遍的なスキルとは?
長谷川:1つは、「考え抜いて決断し、腹を決める力」。もう1つは「決断したらポジティブな形で人を巻き込み、発信していく力」です。結果を出せるか否かは、この2つの力の掛け算で決まります。つまり、この2つのスキルが揃っている人がグローバルにおいても、またあらゆる業界においても活躍でき、結果を出せる。これが僕の結論です。
