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MarkeZine Day 2025 Retail

広告出稿で押さえておきたい、メディア品質&配信面の最適化

高額被害・ブランド毀損の可能性も コネクテッドテレビ環境における広告品質の3つの課題

1.アドフラウド (広告詐欺)

 ボットによる不正課金等に代表されるアドフラウドは、残念ながら多額の広告費がかけられた配信ほど、被害にあうリスクが高まります。日々様々なアドフラウドが出現している昨今、対策に向けた基準がまだ確立されていないために、広告需要が供給を上回るCTV広告のような新興チャネルにおいて、被害が発生しやすいとされています。

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©Nopphon – stock.adobe.com

 たとえば、2022年5月26日にDoubleVerify Japanが発表した最新のグローバルインサイトレポート(日本語版)では、CTVとビデオ広告を狙った詐欺行為の急増が明らかにされており、検出された詐欺行為の件数は、2020年から2021年にかけて昨対比で70%以上の増加となっています。これらの詐欺行為は、広告主から毎月600〜800万米ドル以上を奪おうとするもので、広告効果を著しく低減させる見過ごせない問題です。

 また、最近では不正の手法も巧妙化しており、2022年8月にはスマート冷蔵庫やIoT(モノのインターネット)機器などを偽装するなど、他のデバイスをCTVなどのテレビストリーミングデバイスに見せかけることで不正行為を隠そうとする事例も発生しています。

 DoubleVerifyが発見した事例では、2022年最大1,000万ドル(10数億円)以上の被害に遭ったと見積もっています。

 CTV市場において、2020年から2022年にかけて、DoubleVerifyでは1日あたり2,424以上の不正なCTVアプリと58万台の不正なデバイスを検出していることから、日本においても、市場の健全化が急がれます。

 eMarketerによれば、2022年にプログラマティックCTVが39%増加すると推定され、仲介プラットフォームを通じて購入される広告在庫が増えることで、不正のリスクが上昇することが予測されます。広告主は、メディアへの投資収益に重大な悪影響を及ぼすアドフラウドを検知・防止できる体制を整える必要があります。

2.ブランドセーフティ(安全性)とスータビリティ(適合性)

 広告主は、広告配信先のコンテンツが、自社のブランドにどのような影響を与えるかについても注意を払う必要があります。

 そもそも、CTVはデスクトップやモバイルデバイスと同様にオープンな環境であり、一瞬の広告配信が膨大な視聴者にリーチできてしまうことから、ほとんどのブランドにとってはリスクの高い環境となっています。

 また、動画配信サービスコンテンツは、CTVデバイスを通じて、毎日、無数の番組が視聴されており、その中には広告を配信することでブランド戦略に適合したものもあれば、視聴者の不快感を増長させてしまいブランドを毀損するコンテンツも含まれます。アダルト、海賊版、非正規コンテンツなどを除外対象にすることは言うまでもありませんが、ブランドポリシーと相反するコンテンツへの広告配信は回避しなければなりません。

 ブランドにとって、安全(セーフティ)かつ適合性のある(スータブル)な環境を確保するために、コンテンツレベルでの除外・インクルージョンリストによる保護の強化や、アプリレベルでのブランドセーフティの測定と制御、さらに潜在的なインシデントを防ぐためにフィルタリングする機能などを活用する必要があります。

次のページ
3.ビューアビリティ(視認性)

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この記事の著者

中村 晃(ナカムラ アキラ)

DoubleVerify Japan マーケティング ディレクター。同志社大学卒業後、(株)東芝にて営業部門および宣伝部門でキャリアをスタート。その後、アップル、アドビ、Twitter、IBMなど外資系企業にて一貫してマーケティング業務に従事し、マーケティング部門責任者などを歴任。青山学院大学大学院 国際マネジメン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/17 08:00 https://markezine.jp/article/detail/40455

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