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「8割がコミュニケーションの最適化で継続購買意向増加」Brazeと博報堂が協業で目指す未来

 2022年11月、Brazeと博報堂がパートナーシップを締結した。同時に博報堂は、コロナ禍を経て生活者がオンライン上で企業とどのようなコミュニケーションを望むようになったのかを調査したレポートを公開した。レポートからはコロナ禍後の生活者が望む企業とのコミュニケーション方法が考察できたという。本記事ではBrazeの代表取締役の菊地真之氏と、博報堂のマーケティングシステムコンサルティング局局長の横山陽史氏に両社のパートナーシップの狙い、今後のCRMについて話を聞いた。

2社が結ぶパートナーシップの鍵は“顧客起点”

――今回両社がパートナーシップを締結した背景について教えてください。

菊地:私たちBrazeは、デジタルで消費者とブランドとの関係構築を支援するカスタマーエンゲージメントフォームを提供しています。日本には2020年に進出したのですが、それにはある理由がありました。

 私たちは2019年に、リサーチ会社と合同で生活者のブランドに対する心象を調査した「Braze ブランドヒューマニティインデックス」を発表したのですが、評定値で先進国が軒並み60%以上を記録する中、日本だけが50%台にとどまってしまったんです。

 私たちはこの結果を不思議に思うと同時に、ビジネスのチャンスがあると判断し、日本に進出したのです。しかし、我々の力だけでは日本のブランドと生活者のエンゲージメントを高めるのには限界があります。そこで協力していただけるパートナーさんを考えた結果、日本で長く生活者発想を掲げてマーケティング領域での知見やコンサルティングにも強みを持つ博報堂とパートナーシップを結ばせていただくことになりました。

Braze株式会社 代表取締役 菊地 真之氏
Braze株式会社 代表取締役 菊地 真之氏

――博報堂の横山さんはいかがでしょうか?

横山:Brazeが今後の企業と生活者のコミュニケーションをより良いものにできると考えたためです。

 私たち博報堂は、フィロソフィーである生活者発想のもと企業が生活者に対しどういったコミュニケーションを取っていけば幸せになれるのかを考え、様々な手段を用いてクライアントを支援してきました。そして、コロナ禍を経てコミュニケーションのオンライン化が加速しました。

 この変化に対応するには、最適なタイミング・内容でメッセージを送る必要があり、それに対応しているのがBrazeでした。Brazeはリアルタイム性が高く、生活者が関心を持ったタイミングでメッセージを送ることができるため、より良いコミュニケーションが可能になると考えました。

株式会社博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局 局長 横山 陽史氏
株式会社博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局 局長 横山 陽史氏

コロナ禍を経て望まれるようになったコミュニケーションとは?

――パートナーシップにあわせて、博報堂は調査結果も発表していましたね。

横山:調査では、コロナ禍における企業と生活者のコミュニケーションのあり方について、生活者へアンケートしていきました。コロナ禍ではオンラインを中心に様々なコミュニケーション手段が増えました。

 一方で調査を行った2022年9月頃は、新型コロナウイルスの感染拡大が一時的に落ち着いた時期でもあり、生活者がオンライン・オフライン問わず、それぞれにとって最適な購買行動を考えられるタイミングでした。

 今回20代から50代の生活者の方々を対象に調査したのですが、調査結果としては多くの方が、数年前に比べて企業とのオンラインコミュニケーションが増えたと回答しました。また9割近くの方が、コミュニケーションのオンライン化を望ましいと捉えています。

 アンケートではさらに、オンラインコミュニケーションのポイントを調査しました。一番に挙がったのは「わかりやすさ」、その後「気軽さ」「適切な情報」「最適なタイミング」と続きました。

 そして8割以上の方が、企業がコミュニケーションを生活者の望む形に変えていった場合、継続意向が高まるとも回答しています。

 つまり、企業が一人ひとりに合わせた最適なコミュニケーションを交わしていけば、信頼関係を築ける結果が得られました。

調査結果
Q.オンライン(インターネットやアプリ)でのコミュニケーションについて、あなたが望むように改善された場合、その提供者(メーカーやブランド、販売店・代理店など)への印象や関わりは、どのように変わると思いますか。あてはまるものをすべてお選びください。 提供者への印象や関わりが変わると答えた割合

菊地:近年、生活者は自分を中心としたエンゲージメントを求めている傾向が見られます。一方で現代に存在する多くのCRMは、「企業が生活者に何を買わせたいか?」を念頭に置いた企業起点のCRMになっています。

 今後は、「生活者が企業からどんな情報を受け取りたいか?」を探り、自身が体験したいものを提案する顧客起点のCRMが重視されていくと考えています。

次のページ
顧客起点のCRM実現に必要なこととは?

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/09 18:03 https://markezine.jp/article/detail/40526

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