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マーケティングDXにおいて、最適化すべき3つのポイント【SCデジタルメディア×セールスフォース対談】

 今や多くの企業がマーケティングDXに取り組んでいるが、その推進には様々な課題が生じる。今回は、デジタルマーケティングの戦略立案からツールの選定・導入、運用実行までを一気通貫で伴走支援するSCデジタルメディアと、マーケティングに欠かせない様々なツールを提供するセールスフォース・ジャパンの2社が対談。悩めるマーケターに向けて、課題解消とマーケティングDXの実現に役立つヒントを共有する。

企業のマーケティング活動を支援する、SCデジタルメディアとセールスフォース

MarkeZine編集部(以下、MZ):最初に、お二人の自己紹介からお願いします。

村角:SCデジタルメディアのデータマーケティングビジネスユニットの統括を担当しております。当社は、企業のブランディングサポートをワンストップで展開する「ブランドコミュニケーション」、データを利活用してお客様の売り上げを伸ばす「データマーケティング」、メディアコマースなどの新たな開発や支援を推進する「デジタルメディア」の3つの領域で事業を展開しています。

 我々データマーケティングビジネスユニットは、データを活用しながらマーケティング施策の上流のコンサルティングからシステム導入、運用支援までを一気通貫で提供しています。

SCデジタルメディア データマーケティングビジネスユニット統括 村角忠政氏
SCデジタルメディア データマーケティングビジネスユニット統括 村角忠政氏

二見:私は、セールスフォース・ジャパンでデジタルマーケティング・ビジネスユニットの責任者を務めています。BtoC向けのマーケティングプラットフォームである「Salesforce Marketing Cloud」やEコマースプラットフォーム「Salesforce Commerce Cloud」から、BtoB向けのMA「Account Engagement(旧・Pardot)」まで、企業のデジタルマーケティング活動を支援するすべての製品の事業主幹をしています。

セールスフォース・ジャパン デジタルマーケティング・ビジネスユニット事業本部長 二見仁基氏
セールスフォース・ジャパン デジタルマーケティング・ビジネスユニット事業本部長 二見仁基氏

データは持っているが活用できていない。企業が抱えるデジタルマーケティングの課題

MZ:企業のマーケティングを支援されているお二人から見て、近年のデジタルマーケティングにはどのような課題があると思われますか?

二見:最大の課題は「データ」にあると思います。さらに、外部要因と内部要因の両方がありますね。

 まず外部要因としては、主にサードパーティCookieを使えないことにあります。ファーストパーティデータをどうやって集めマネタイズしていくかを考えるのに苦労しているマーケターの方が多いです。

 そして内部要因としては、3つ挙げられます。まず1つ目は、データを持っていてもバラバラであること。同じ社内でも部署ごとに持っているデータが異なるケースです。2つ目は、持っているデータをマネタイズするとなると、時間・お金・人材が必要になること。そして、3つ目は人材に関して、コンテンツやマーケティング施策を考えたり実際のシステムを運用したりするには、知見のある人材を採用する必要があるということです。

村角:確かにデータは持っていても、活用できていない企業は多いですね。最近ではタッチポイントの多様化により、一層複雑になっていると感じます。多くの人がスマホを持ち、SNS利用の拡大など、人々の行動習慣の変化が加速しているためです。実店舗とECの両方を展開しているほか電話やメール、チャットなど複数のコミュニケーションツールを使っている企業も多いでしょう。

 しかもデータは莫大にあり、リアルタイムで更新され続けていくもの。その増え続けるデータを施策に活かしていくことは、そう簡単なことではないでしょう。

データを効果的に活用するうえで欠かせない「20対80の法則」とは?

MZ:企業がデジタルマーケティングにおける課題を解消し、効果的な施策を進めるためのポイントとしてはどのようなものがありますか?

村角:膨大なデータを効果的に活用してマーケティングを行っていくには「20対80の法則」が必要だと考えています。「20対80の法則」とは、上位20%の要素が全体の成果のうち80%程度を生み出していることを意味します。

 マーケティングにおいても同様で、大量の業務と膨大なデータとの戦いで目的を見失いがちですが、本当に大事なのはそのうち20%程度です。その20%に集中することで、80%分の成果を上げることを目指していくことが重要です。

 では、集中すべき20%とはどこか。当社がお客様にお伝えするのが「KPI」「施策」「システム」の3つです。この3つのポイントそれぞれにおいて、大事な20に集中することが重要です。

村角:たとえば「KPI」に関しては、マーケターの皆様は膨大な数字指標に追われることが多いかと思いますが、売り上げや利益などゴールに直結するKPIを見極め設定することが大切です。

 「施策」については、結果だけを求めて短期的な施策に終始しがちですが、中長期に効く施策もセットで取り入れることが必要です。高いCPAで新規顧客を獲得するだけでなく、ファンになってもらいLTVを上げる施策も打てるかが重要になります。

 「システム」でいうと、セールスフォースさんの製品にも様々な機能がありますが、それらすべてを使うのは予算や人員的に現実的ではないでしょう。そのため、重要な機能に絞って効率的に成果を上げられるようにします。それぞれの機能をどのような配分で使うかも意識すべき点です。

 すべてやろうとするのではなくポイントごとに大事な「20」に集中することで、長期的に顧客に支持され売り上げを上げるために素早くPDCAを回すという、本来あるべきマーケティング活動を行えるようになるのです。

マーケティングのプロ集団、SCデジタルメディアの強み

二見:素早くPDCAを回すことは、変化の激しいビジネスにおいて大切ですね。そのためには、やはりSCデジタルメディアさんのようなマーケティングのプロ集団によるオペレーションと、セールスフォースが提供しているようなテクノロジーをうまく掛け合わせながら取り組むことが必要だと思います。

MZ:なるほど。SCデジタルメディアの強みを詳しく教えていただけますでしょうか?

村角:豊富な実績を持っているマーケターがお客様を支援する点です。マーケティングは、資格がなければできない仕事というわけではありません。ひとくちにマーケティングやマーケターといっても非常に広義なので、たくさんの種類のマーケターが世の中にはいるでしょう。

 しかし当社では、事業会社で「どうすれば数値をあと0.1%上げられるのか」という世界で戦ってきたマーケターを中心に採用しています。しかも小売りやメーカー、金融、美容など出身業界も非常に幅広いので、お客様の業界や商材、ビジネス形態に合わせたアプローチが可能です。加えてコンサルティング機能やSIer機能もあるので、上流の施策設計や実行に移すところまで、マーケター目線で支援できます。

村角:また、お客様に寄り添った伴走支援をすることも強みです。当社のお客様は、支援を受けるだけでなく自社でもデータマーケティングに関する知見を蓄積していきたい、という企業がほとんどです。

 そのため支援させていただく際には、一方的にならないようお客様と膝詰めでどうしたらエンドユーザーにメッセージが適切に届くのか、どうしたら数字が伸びるのかなどをしっかり話し合っていきます。そうすることでお客様側でも知見が増え、自社内で成長につながる好循環な流れを作ることが可能です。

『マーケティング最新事情』レポート(第8版)

 世界35か国のマーケター6,000人以上を対象にした調査と、Salesforceを使用して送信された数兆件のアウトバウンドマーケティングメッセージの分析から、マクロ経済の逆風の最中にあるマーケターがどのように優先事項を進化させ、新しい戦略を取り入れているかをご紹介します。

複雑なデータ、タッチポイントの多様化……One to Oneマーケティング実現のためには?

MZ:テクノロジーの活用でいうと、SCデジタルメディアは数多くのツールを取り扱っている中で、特にSalesforce製品に関して強みをお持ちだと伺っています。

村角:Salesforce製品における最大の特徴は、様々な情報を組み合わせて一元管理できることにあると思います。たとえば、顧客データを収集し統合的に管理・活用できるCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)を使えば、データの収集や分析、施策実行を高速回転で行うことが可能です。

 先ほどお話しした通り、タッチポイントの多様化もありデータ周りは複雑になりつつあります。データの蓄積先がバラバラだと、たとえばコールセンターにクレームを寄せたお客様に対して状況を理解していない他部署の人間が適切とはいえないトーンでメールを送り、お客様をますます怒らせてしまうかもしれません。このような状況では、適切なお客様に適切なタイミングで適切なメッセージを届ける「One to One」マーケティングの基本を行うことは難しいでしょう。

 しかしCDPを使えば、タッチポイントが複数あっても「バラバラの人」としてのデータではなく、「同じ一人」として対応することが可能です。

二見:セールスフォースの主な事業はCRMであり、CDPはあくまでCRMが発展したもの。統合CRM型の提案ができるのが一番の強みだと考えます。

村角:Salesforce製品はマーケター目線で作られているとも感じます。たとえば、セグメントデータの作成もGUI(Graphical User Interface)上で可能なので、SQLを書くのが苦手なマーケターにとってはハードルが一気に下がりました。また、ただデータを貯めることを目的としているのではなく、「お客様に向けた施策を考える」という出口から逆算して作られているので、マーケティングに活かしやすいです。

 あと、アップデートも早いですね。時代の変化に合わせた機能改善がスピーディーに行われているので、「今までできなかったことが、できるようになった」と感じることが多いです。

すべては顧客理解から始まる

MZ:最後に、セールスフォースの考える今後のデジタルマーケティング領域の展望や、企業やマーケターにとって必要となることをお話しいただけますか?

二見:キーワードとして「瞬感」を挙げます。これはセールスフォースが2022年8月に行ったイベントのテーマとしても掲げた言葉なのですが、「顧客一人ひとりの瞬間(モーメント)をとらえ、期待を超えた感動体験を提供する」ことが重要です。お客様の感動体験にコミットすることは、ロイヤリティを上げることにもつながります。

 そして感動体験を提供するには、お客様のことをよく知り、先回りして提案することが大切です。当社としてはCDPなどテクノロジーの面から、お客様の感動体験を作る企業様の後押しをこれからもしていきたいです。

MZ:SCデジタルメディアからは、マーケティングDX実現と成果のために必要なポイントを解説していただきました。どれも重要なものだと思いますが、特に何から手をつけていけば良いのか、ファーストステップをご教示ください。

村角:お客様のことを知ることからすべては始まります。お客様が日頃何に困っているのか、どんなときに嬉しいのかなどを考え、調べることが重要です。そもそもお客様のことをよく知らなければ、Salesforce製品などを使って、ポップアップを出したりクーポンを送ったりしても、興味を持ってもらえないでしょう。

 自社の顧客のことを知ったうえで、どのような体験をしてどう感じてもらいたいのか。そこを起点に「感動の設計」をしっかり作っていくことが求められると思います。

データマーケティングのプロフェッショナルによるDXご支援

 SCデジタルメディアは、戦略立案から企画、開発、運用までご支援しております。特設サイトからのお問い合わせで、限定特典をダウンロード頂けます。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/20 10:30 https://markezine.jp/article/detail/40624