SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

MarkeZine Day 2022 Autumn

生活者とマーケターに意識の差 ポストCookie時代の実状と有効な2つの対応策

ポストCookie時代に対し課題感は高まるものの「理解は不足」

 では、デジタルマーケターは、個人情報の扱いについてどのような意識を持っているのか。

 マクロミルは、2022年1〜3月に広告会社・ITコンサル・事業会社・メディアの4業界のデジタルマーケターを対象に、Cookie規制に関する調査を実施。国内のデジタルマーケターはCookie規制を現状どのように捉えており、何を課題に感じているのか。調査結果を紹介しながら、齋藤氏が見解を述べた。

 まず「ポストCookie時代のユーザーを識別するためのKeyになる情報は何になるか」という質問に対し、「メールアドレス」が63.0%で1位、次点が「ファーストパーティCookieデータ」で57.5%だった。多くの担当者が、この2つの情報を重視しているようだ。広告会社だけは、ビジネスモデルが影響しているのか順番が入れ替わっており、ファーストパーティCookieデータが1位、メールアドレスが2位だった。

 また、デジタルマーケティング関連キーワードの認知率については、「IDFA・ADID」が68.5%で1位、「ITP」が66.1%で2位、「コンテキストターゲティング」が54.3%で3位だった。一方で、Facebook conversion APIやATT、FingerPrint、Privacy Sandbox,統合IDソリューション(DAO)などのCookie規制後に対応する際のソリューションに関するキーワードの認知率は半数を割った。

 「この調査結果から見えてくるのは、ポストCookie時代のソリューションに対する認識・理解が国内デジタルマーケターにはまだ浸透しきっていないという点です。実際、デジタルマーケターの約4割が、ポストCookieに対するソリューションについて、まだ導入も検討もしていないと回答しています」(齋藤氏)

対応ソリューションの検討・導入
クリックすると拡大します

 ただ、ポストCookie時代における課題については、的確に理解している傾向にあった。現状感じている課題として1位に挙がったのが「ユーザーの分析が難しくなる」で59.1%、次いで「ターゲティング精度が下がる」が58.3%だった。

 「一般的に、Cookie規制で議論されがちなのは『広告がうまく出せなくなる』というところですが、本質はユーザーの分析が難しくなる点にあります。また、個人情報保護法への対応も課題感として高まっているようです」(齋藤氏)

デジタルマーケターと生活者の間にある、広告に対する意識のギャップ

 同調査では、Cookie規制をはじめ、デジタル技術の進化に対してマーケターがポジティブ・ネガティブのどちらで捉えているかについても言及している。技術の発展により、マーケティングは進化するのか、もしくは旧来型のマーケティングに戻るのかでいうと、進化すると捉えているマーケターが73%だった。多くのマーケターは、ポジティブに捉えているようだ。

 「業界別で見ると、広告・ITコンサル業界は、旧来型のマーケティングに戻ると感じられている方が多いようです。Cookieの代替ソリューションが見出せていないと感じている方が多いのかもしれません」(齋藤氏)

 このようにデジタルマーケターの意識調査の結果について紹介したところで、生活者との意識のギャップに言及した。

 調査において生活者(一般インターネットユーザー)とマーケターで意識の差があったジャンルは、「位置情報・Webアクセス履歴・購買履歴・行動履歴・年代」のデータ群の取り扱いだ。多くの生活者が、それら情報の提供や取り扱いに不安を感じている一方で、マーケターはそれほどセンシティブな問題としては認識していないようだ。

ユーザーが提供や取り扱いに不安を感じるデータ
クリックすると拡大します

 「双方の意識のバランスが取れていないと、生活者からさらに拒絶されてしまうのではないかという危機感を持っています。データの扱いに慣れてしまい、その先にいる生活者の存在を忘れてしまわないよう、さらなる配慮が必要です」(齋藤氏)

次のページ
ポストCookie時代に適応するための2つの方向性

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
MarkeZine Day 2022 Autumn連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/12/26 09:00 https://markezine.jp/article/detail/40727

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング