様々な領域でUXと携わる有識者が集結
藤井:本日は「いま、UI&UXを見直す際に考えるべきこと」というタイトルでセッションを行ってまいります。
はじめに、今回モデレーターを務める藤井と申します。私はコンサルティングからSaaSまでトータルでUXソリューションを提供しているビービットに所属し、実践と方法論化を通してUXの重要性を発信しております。まず、パネリストの皆様の自己紹介からお願いいたします。
久野:Preferred NetworksというAIの会社で、マーケティングマネージャーをしている久野と申します。前職は博報堂に8年半ほどおり、途中からSIXというクリエイティブブティックに出向していました。
UXとの関わりでいうと、現職でテクノロジー中心の事業を進める中で従来の体験のフローをガラッと変える作業が事業の根幹になっているので、それをベースに新しいUXを作っています。
藤井:たとえばテクノロジー主導のサービス制作など、なんらかの新しい事業を作る際にそのユーザー体験部分を担うという形ですね。
伊藤:セガの子会社でゲーミフィケーション事業を展開しているセガ エックスディー COOの伊藤です。エンターテインメントを社会に実装する中でのCXデザイン、特に行動変容まで促せるような体験作りに取り組んでいます。いわゆるゲームを通した体験作りを、ゲーム以外の分野に応用していくというイメージですね。
マーケティングUXは「購買体験の最適化」「体験価値の最大化」に分けられる
藤井:まず本日のテーマについてですが、私の認識では、UI&UXというセットの形で語るとデザイン領域の話に寄っていってしまう傾向があるので、UXという言葉だけを抽出して使っています。
伊藤:私はUXについて、「購買体験の最適化」「体験価値の最大化」の2つに分類して考えています。いかにわかりやすくメッセージを伝えてCVRを上げるのか、どうやってユーザーの流入経路をデザインして顧客を獲得するのかといったことが前者です。後者は、たとえば購入の後どうやって顧客との関係値を深めていくか、ファンになってもらうかといった部分になります。
藤井:これまでマーケティング界隈でずっとUXとして語られていたものは購買体験の最適化のほうではないでしょうか。今回はこの2つを切り分けて、「体験価値の最大化」を中心にお話しできればと思います。