日本からグローバルビジネスをリードする人材を育成する
——最後に、2023年のロードマップとして、どのような展望を描いているのか教えてください。
日本のビジネス機会は大きく3つあると考えています。「エクスペリエンス」「コマース」「テクノロジー」です。
まずブランドと消費者のコミュニケーションにおいて、従来の一方通行の広告から、体験・参加型のものに変わってきているので、新しいエクスペリエンスの構築が重要になってきます。また、コロナ禍で急速に拡大したコマースも大きな機会です。製造業などBtoBでも、消費財などのBtoCでも、あらゆる企業でコマースでの売り上げ強化が最優先課題になっています。そしてそれをサポートするのがテクノロジーです。この3つは新しい分野ではありませんが、今後も伸びていくため強化していきたいと考えています。
また、今はマスメディアへの出稿だけではなく、“integrated communication”と呼ばれる、様々なメディアを組み合わせたコミュニケーションも増えていくと考えています。

2023年はこのようなビジネス機会をリードできる人材を採用・育成することに注力する予定です。その第一歩として「WPPアカデミー」という入社1~5年目の若手社員を対象にした社内講座を、2023年1月からスタートします。WPPの中のシニアメンバーや、各領域のエキスパートを集めて月1回、12セッションを用意しています。
「クリエイティビティの力でより良い未来を創る」というパーパスに基づいて考えた時に、日本市場はもちろん、日本発のものをグローバルの舞台で展開することを考えています。なので、WPPアカデミーは日本からグローバルにビジネスを展開できる人材を育てることをイメージしています。すべてをマスターしていなくてもいいのですが、日本が中心になってグローバルと連携し物事を動かしていけるだけのスキルが必要です。
将来的には、WPPジャパンを中心にグローバルなメンバーと連携しながら日本のブランド・ビジネスの海外市場における成長を支援していきたい。体制を整えて、日本のビジネスを世界に展開する組織・カルチャーを作っていきたいですね。
