生活者がCTVを視聴するタイミングはいつ?
次に、生活者がコンテンツ視聴しているタイミングをデバイス別で見ていきたいと思います。
CTVでのコンテンツ視聴のタイミングとして最も多いのは「食事中(37.3%)」で、次が「就寝前(33.5%)」です。動画コンテンツをCTVで視聴するユーザーとスマートフォンで視聴するユーザーの割合を比較した場合、就寝前のタイミングでは差がありませんが、食事中はスマートフォンよりもCTVで動画コンテンツを視聴するユーザーが約3倍おり、朝昼晩の3食と考えると、CTVで動画コンテンツを視聴するユーザーの時間的シェアはかなり大きいですね。
食事中と就寝前の2つがCTV視聴の中心だとすると、地上波で言うところのプライムタイム(PM7時から11時まで)が、CTVにも当てはまると言えます。
デジタル広告は、視聴者が多く集まる時間ほど、配信単価が安価になるので、テレビCMのパーコスト(延べ視聴率1%あたりの単価)を鑑みると、プライムタイムにCTVを活用するのも良いかもしれません。
約4割が誰かと「共視聴」している
続いて、生活者のCTVにおける視聴スタイルに関するデータを見ていきたいと思います。
まず、一人で視聴しているのか、誰かと視聴しているのか、という点についてです。比率で見ると、約4割が誰かと視聴する「共視聴」を行っています。内訳を見ると、35%がパートナーと視聴、30%が子供か親と視聴、2%がその他と、やはり家庭内での共視聴が多い傾向です。
こうした視聴スタイルは、広告配信の効果に大きな影響を及ぼします。通常、デジタル広告であれば1回の視聴=1インプレッションと換算されますが、上記のデータによればその内の40%は二人以上に視聴されていることになります。
仮に100万インプレッションあった場合、単純計算で100万+(100万×40%)=140万インプレッションの価値になる訳です。
また、二人以上で視聴している状態は、「会話」が生まれやすい環境と言えます。私も経験がありますが、「一方が知らなかった商品でも、他方が知っていて広告に反応し、会話になり、商品が気になり始める」ということがあります。
このようにユーザーの行動を数字で捉えつつも、具体像を描いてみると、広告効果の評価の仕方やアプローチの仕方に変化が生まれそうです。
