生活者にとって「有用な情報」を「等身大」で伝える
──「Lidea」は生活に寄り添う豊富なコンテンツが印象的です。コンテンツ制作にあたって、内容の選定を含めて意識していることを教えてください。
ありきたりではありますが、お客様のことを優先的に考えるコンテンツ作りを大事にしています。お客様にとって今の流行は何か、ニーズはあるが他のメーカーやメディアが取り上げていないテーマはないか、などが主な着眼点です。ライオンはメーカーですが、Lideaでは必ずしも商品の購買に直接貢献しないような内容であっても、お客様にとって有用な情報であれば取り上げていきたいと心がけています。

もう一つ大切にしていることは、等身大であること。ライオン自体が古くからある企業ですし、Lideaには専門家が登場するので、読む側からすると上から目線に感じることもあるかもしれません。そこで、記事のトーンや表現は等身大を意識しています。私を含めて、生活の中でズボラだったり、後回しにしがちだったりするところは誰しもあると思います。そうしたありのままの気持ちにも寄り添えるようなコンテンツの視点、表現のトーンを心がけています。
具体的に注力している施策を挙げるなら、2022年の夏から始めたサステナブル特設コンテンツ「知ってる?やってる?サステナブル!」です。当社全体でサステナブルの取組みを進める中で、Lideaでもお客様とのコミュニケーションの場を作るため、社内の関係部署と連携して作成しました。サステナブルとはどのようなものなのか、ライオンではどのような取り組みを進めているのかといったことを読み物や漫画にして紹介しています。

こうした特設コンテンツは、同じテーマの記事を1つに寄せ集めるという機能だけでなく、企業として伝えたい内容もわかりやすくかみ砕いて説明する場という点で、有意義な取り組みになっていると感じます。サステナブル以外でも、社内の様々な部署と連携するコンテンツ作りは今後も積極的に取り組んでいきたいですね。
情報が多い時代だからこそ、身近な「定性データ」を重視
──各コンテンツについては、企画の種をどのように見つけているのですか?
ハウツー記事はSEOの観点で上位を狙えるキーワードを深掘りします。商品に関連するキーワードなどでまだ取り上げていないものがあれば、企画にできるかどうか検討します。
こうした定量的なデータを活用する方法とは別に、半年に1回開いている「トレンド共有会」でも企画のヒントを探しています。Lideaの関係者に集まってもらい、雑誌などのメディアで流行ったもの、X(旧Twitter)で話題になったものなどについて共有する集まりで、そこからLideaでどんな企画ができそうかを考えます。集まるLideaの関係者は社内・社外を合わせて30人ほど。性別も年齢も様々で、普段は記事を作っていない人もいます。
情報が多い時代なので、「なんとなくいい情報」ではなく、普段からそのテーマについて詳しく深掘りしている身近な人を見つけて、その人が「実際に腹落ちするような情報」をコンテンツにしなければ、読者に響くものにはならないと思っています。定量データではできない深掘りのために、定性的な情報にもフォーカスしていきたいという想いは、Lideaというメディアとしての姿勢でも、一つひとつのコンテンツ作りでも大切にしています。