※本記事は、2023年2月25日刊行の『MarkeZine』(雑誌)86号に掲載したものです。
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以前より就活が長期化、初期段階のアプローチが重要に
──今回東京海上日動では、「モンハン保険」という動画をワンメディアさんと制作していますが、その背景を教えてください。
大神田:今の就活生は、以前よりもタイパ(タイムパフォーマンス)を重視して就活に臨むようになっています。情報収集も採用ページの閲覧やOB/OG訪問だけでなく、YouTubeなどの動画をながら見して得ているケースがあることも外部の調査で明らかになりました。
また、コロナ禍でリアルの合同説明会が減少した影響も大きいです。合同説明会では、たまたまブースの前を通りかかって話を聞いてみたところ、興味のなかった業界・企業への興味を持つといったケースがありましたが、現在は合同説明会のオンライン化も進み、興味のある企業に関する情報だけ集める傾向が強くなりました。
これらの背景から、弊社から会社・仕事の魅力を伝えるコンテンツを発信していき、まだ保険業界や東京海上日動を知らない・興味がない層に届けていく必要があると考えました。
──動画を配信したのは2021年10月でしたが、このタイミングの実施にも狙いがあったのでしょうか。
大神田:今の就活生の動きを考えたときに最適なタイミングだと考えたからです。現在の就活生は3年生の5月〜6月から就職活動を始めることが多いです。夏休み、冬休み、春休みで興味のある企業のインターンシップに応募しながら、企業研究を行うなど1年以上のタームで動いています。
その中でも就職活動の初期段階で東京海上日動のことを知ってもらうことが重要だと考えたため、冬休み前の10月に実施しました。そうすることで、金融業界を志望していない学生を引き込む狙いがありました。
ゲームと保険の親和性が高かった理由
──今回モンスターハンターライズという人気ゲームを題材に新卒採用向け動画を作ったのはなぜでしょうか。
香川:大神田さんのお話にもありましたが、今回の取り組みでは金融業界志望の学生さん以外にも採用のすそ野を広げるのがミッションです。その中でゲームを題材に選んだのは、損害保険とゲームならではの世界観との相性が良かったから、そしてZ世代に響きやすいテーマだったからという、2つの理由があります。
損害保険はリスクに備えるもので、あらゆる業界に対して関わることができる仕事です。一般的には自動車保険や火災保険を取り扱っているイメージが強いですが、イベント中止などの損害を補償する興行中止保険や事業活動のあらゆるリスクに対応する超ビジネス保険など、様々な保険が存在しています。そのため、ありとあらゆる業界の様々なリスクを見つけて評価できるのが、東京海上日動様の仕事のおもしろさとも言えます。
その中でゲームは、敵からの攻撃など様々なリスクが存在しており、それを東京海上日動の社員の方が「保険商品にするならどうするか?」という視点で解説したらどうだろうか、と考えました。
2つ目の理由に関しては、YouTubeで再生数が伸びている企画を探る中で、ゲーム実況というカテゴリーが注目されていることが見えてきました。私自身もですが、ゲーム実況を見る専門の人がいるくらい、ゲームで起きていることを実況するというフォーマットの動画は人気になっています。ゲームが就活生に興味を持たせるきっかけになると思いました。
──様々なゲームがある中で、なぜモンスターハンターライズを題材に選んだのでしょうか。
香川:モンスターハンターライズは火山や雪原など様々なシチュエーションがあり、モンスターと対峙するだけではなく、卵を運んだり村人と交流したりと、様々な展開があるため、あらゆる状況下でリスクを評価できると考え、選びました。