オウンドメディアの枠を超えたマーケティング基盤へ
MarkeZine編集部(以下、MZ):NECは国内BtoBの中でもオウンドメディアを活用したコンテンツマーケティングに早くから取り組まれています。具体的な活動を教えてください。
萬代:当社は2004年から「business leaders square wisdom」(以下、wisdom)を運営しています。立ち上げ当時は既存顧客、未来のユーザーに向けて情報を提供する場として運営し、あえてNEC関連の記事やニュースは掲載していませんでした。
しかし現在、wisdomは単なる情報提供ためのメディアではなくなっています。wisdomに集まる様々なデータが可視化されるようになり、お客様のインサイトを発掘するタッチポイントとしての活用の比重が高くなっています。コンテンツを閲覧するお客様に、さらに深く正しい情報を届けることで、NECの事業領域に関心のあるお客様とのエンゲージメントを強化する基盤として進化しています。
森藤:取得できるデータが増えてきたこと。そして、数年にわたるコロナ禍で非対面の営業手法やデジタルの活用が一気に進んだことを背景に、wisdomのコンテンツを入り口にしてビジネスにつなげていく取り組みも重要になってきています。
萬代:それにともない近年では、NECのマーケティング基盤としてwisdomがビジネスにどれだけ貢献しているかを問われるようにもなっています。
来訪者1PV当たりの「価値の重さ」の違い
MZ:ビジネスへの貢献度が問われることで、従来の運用に影響はありましたか。
萬代:これまでもWeb上での計測は様々なツールを導入し試みていましたが、「コンテンツがどのように事業貢献できたか」という具体的な数値指標を持つことができていませんでした。商談が発生した際、wisdom経由で有益な情報を知ったお客様や、wisdomのイベントがきっかけで検討、導入に発展したお客様もいらっしゃったと思うのですが、そこを証明することがとても難しかったんです。
PVは「どこの企業担当者が見たか」によって1PV当たりの価値の重さは当然違います。正しい質の評価ができていない点は大きな課題でした。
森藤:従来のツールソリューションでは1PVの価値やコンテンツの価値自体を可視化することはできないのではないかと悩んでいた時に、「TRENDEMON」に出会いました。
誰でも簡単にコンテンツの価値を可視化、最大化させる
MZ:TRENDEMONとはどのようなツールなのでしょうか?
Halel:近年、国を問わずBtoBマーケティング担当者の中での最大の課題は、Webサイト上でどの企業が来訪しているのか、どのようなコンテンツに接触し、カスタマージャーニーがどのプロセスにあるのかをシームレスに可視化、把握することができないことにあります。
さらに、取得したデータをもとに適切かつ迅速にパーソナライズされたエンゲージメント施策を行い、改善するまでの一連のアクションを実行するハードルの高さに多くのBtoB企業が苦戦しています。我々TRENDEMONのミッションはテクノロジーの力でこのような現状を打破することにあります。
嶋添:これまで日本国内でも様々な企業のコンテンツマーケティングをご支援させて頂く中で、TRENDEMONではコンテンツのCV貢献、読了率や回遊率、セッションを横断したコンテンツジャーニーインサイトなどの独自指標をダッシュボード上で可視化してきました。また、数年前からパーソナライゼーション機能を大幅にアップデート強化してきたことで、自社Webサイト上の回遊・CV導線を大幅に改善強化する企業様が国内でも続々と出てきています。
直近にリリースしたABM(アカウントベースドマーケティング)機能ではこれまで可視化できなかった「ダークファネル」上からのアプローチでサイト来訪企業の可視化から、企業単位だけではない・業種業界・従業員規模・売上規模といった様々なファーモグラフィックごとの分析、パーソナライズ施策も一気通貫で行うことが可能になっています。