Webサイトの改善が165万円相当の価値を生む
問い合わせフォームと資料請求フォームを分けた後は、資料請求フォームに続く導線の見直しを行う。チェック項目は「サイトのグローバルナビに資料請求のボタンがあるかどうか」「サイトのファーストビューに目立つ導線があるかどうか」だ。藤井氏は導線に加え、フォーム自体の見直しにも言及。共通の資料請求フォームの必要性を次のように語る。
「複数の製品を展開している企業のサイトを訪問すると、資料請求ボタンを押した後に『この製品の資料はこちら』というボタンが表示され、希望する資料の請求までにさらなるアクションを要することがあります。訪問者の離脱を防ぐためには、ボタンの先にフォームを設置しましょう。共通の資料請求フォームは、複数製品から訪問者が興味のある製品を選択することができるため、おすすめです」(藤井氏)
藤井氏は数式を用いて、Webサイトのフォームおよび導線の改善がもたらす費用対効果を試算する。
村尾氏は商談獲得単価という指標に基づき、Webサイトの改善がもたらす価値を次のように評価する。
「商談獲得単価を15万円だと仮定すると、11件の商談を獲得するのに165万円がかかる計算になります。Webサイトの改善で165万円分の価値が出ると考えれば、改善に取り組む意義も理解できますね」(村尾氏)
配信停止率が低い2種のセグメントメール
続いて藤井氏はウェビナーの改善方法を紹介する。ウェビナーもWeb施策と同じく、集客・接客・送客のプロセス別にKPIを整理することができるようだ。
藤井氏はウェビナーのよくある悩みとして「申し込み数の少なさ」を挙げ、改善策として「メール集客の強化」を提案。通常のメルマガに、配信対象者を絞ったセグメントメールを追加することを強く勧める。
「1年以内にWebアクセスがある人に絞り込んで単独メールを送ってみてください。その際、メールの文面を集客したいウェビナーのタイトルとキービジュアル、ボディー部、CTAのボタンというシンプルな要素で構成することがポイントです」(藤井氏)
また、ウェビナーのLPを来訪しているにも関わらず申し込みをしていない人に対象を絞り、開催前日に再案内するセグメントメールも有効だという。
「メールが増えると配信停止につながるのでは」と村尾氏が指摘したところ、藤井氏はシャノンの実績値を紹介。全配信のメルマガよりも、単独メールや直前再案内メールのほうが配信停止率は低かったことを示す。
メール経由の集客を100%とした場合に、そのうち55%がセグメントメール経由であった点にも言及。配信停止のリスクを押さえながらも集客が強化できる可能性を強調する。
ここで「おすすめの配信タイミングがある」と藤井氏。会期の2週間前に全配信のメルマガを送り、1週間前に対象者をセグメントした単独メールを、前日に再案内のセグメントメールを配信するスケジュールがおすすめとのことだ。
藤井氏は数式を用いて、ウェビナーの改善がもたらす費用対効果を試算する。
「商談獲得単価を15万円だと仮定すると、1回のウェビナーで45万円分の価値がもたらされることになります。ウェビナーを月に複数回開催する場合は、さらに高い費用対効果が得られるはずです。このように試算した数字を、社内の協力を得る際の説得材料に使うと良いでしょう」(藤井氏)