BtoC企業におけるメールマーケティングの悩み
プレイドでMAツール「KARTE Message」の事業責任者を務める冨里氏は「MAを使うことで、仕事がもっと楽しくなります」と前置きし、はじめにMA導入を検討する顧客が抱える課題やニーズについて以下の3つを挙げた。
2.複数のマーケティングツールの統合:サイト解析やWeb接客ツールなど複数のツールを統合したい
3.MAツールの乗り換え:MAツールはすでに導入しているが、効果が上がらないため別のものに乗り換えをしたい
同セッションでは、特に多い1つ目の課題にフォーカス。まず前提として、メールマーケティングの役割は大きく分けて3つある。1つ目が「情報を届ける(開封)」、2つ目が「サイト/アプリに来訪してもらう(クリック)」、そして3つ目が「購入してもらう(コンバージョン)」だという。
メール施策というと、開封率やクリック率向上の話題が上がりがちだ。その数値をあげることが、効果を上げることとイコールなのだろうか。冨里氏は、そもそもメールマーケティングの目的は「ユーザーの行動を変化させること」だと指摘。今までサイト来訪や購入をしなかった人に行動を促すため、どのように施策を打つかが重要だと述べた。
しかしパーソナライズのためといって闇雲に顧客を分類するだけでは、施策の効果は見えず、当然向上にもつながらない。
そこで有効なのが「セグメントをユーザーの属性ではなく、行動データをもとに分ける」ことだ。メールの効果、すなわち送信前後のユーザーの行動の変化を捉えるためには、性別年齢といった属性ではなくサイト来訪や購買の有無などの行動データをもとに分類することがカギになると冨里氏は語った。
行動データでユーザーをセグメントに分けるメリット
ユーザーの行動データをもとにセグメントに分けるためには、まずユーザーの行動を整理することから始める。「初めて来訪したのか、商品詳細を見たのか、会員登録をしたのか、購入したのか、とユーザーの行動の流れを一直線に整理します」と冨里氏。
まず行動で分けることが重要で、そこからさらにパーソナライズさせるなら属性情報(たとえば都道府県や年齢)を元に細分化。メールのタイトルや本文を最適化すると良い、と冨里氏はアドバイスした。
このように顧客を行動から分けていくメリットには、「施策のゴール達成が明確になる」「施策の重複配信を防ぐ」の大きく2つが挙げられる。前者について、たとえば「サイト来訪者を増やしたい」という目的でメールを送る場合を考えてみよう。「直近で来訪している人」「しばらく来訪していない人」が混在するリストに対して一斉にメール配信すると、「施策によって、来訪していなかった人が来訪するようになったのか」が判断できない、もしくは判断が困難になってしまうだろう。
しかし、先に行動のステージで分けておけば効果を明確にしやすくなるのだ。冨里氏は「その後に属性ごとにクリエイティブメールのタイトルや文面を分ける方法が良い」と語った。