フルファネル施策に携わる人材に必要なこととは?
野崎:電通デジタルには約2,300名(2023年1月時点)の社員がいて、デジタル広告を含むコミュニケーション領域以外にも、トランスフォーメーション領域、プラットフォーム領域とサービスも多岐に渡っており、多くの社内外の関係者と連携しながらプロジェクトを推進することが求められるはずです。
前職よりも規模が大きい組織に参画したことで、より高度なコミュニケーション力が求められるはずです。京谷さんはしっかりとフィットされているのでヒントをいただきたいのですが、普段のコミュニケーションで意識していることはありますか?
京谷:私はクライアント様と社内のメンバーをつなぐ役割を担っています。その中で意識しているのは、社内外で発生するコミュニケーションの一つひとつで「相手がどう思っているか」を考えることです。
「こうしたほうがゴールに近づく」という提案があっても、クライアント様への伝え方一つで感じ方が変わってしまいます。大前提として、クライアント様の課題を解決する方法を考え、提案を行っておりますが、その提案内容をクライアント様側に、よりご理解・ご納得をいただくためのお伝えの仕方にも細心の注意を払うように心がけています。
社内でのコミュニケーションでも、作業内容だけを伝えるのではなく、その意図などを細かく伝えるようにしています。作業内容を伝えるだけでは、新しい発想が生まれないので。

野崎:この意識は自身の市場価値を高める上で重要なポイントです。スモール、ミドル規模の会社でデジタルマーケティングに関わると個人競技になりがちで、いざ大規模の事業会社や支援会社に転職すると社内の連携で苦労する、会社のカルチャーになじめない、といったケースも少なからず発生しています。
相手視点で思いやりのあるコミュニケーションは、特に社内外の関わりが増える大企業のマーケターには必要なスキルですし、統合コミュニケーションやデジタルトランスフォーメーションなど横断的に関わるプロジェクトでも重要なスキルとなります。大規模な組織でマーケターとして活躍したい方は、普段から意識してキャリア形成されると良いでしょう。
新卒ではアフィリエイトメディアとの向き合い、そこで得られたことは?
野崎:ここまで電通デジタルで京谷さんがどのように働いているのかを聞いてきました。続いて、そんな京谷さんがどのようなキャリアを歩んできたのか探ります。新卒では別のデジタルエージェンシーに入社していますが、そこではどのような仕事をされていましたか?

京谷:アフィリエイト広告に関する部署に所属し、アフィリエイトメディアを運営するアフィリエイターの方とのやり取りを担当していました。
野崎:退職するまでずっとその仕事をしていたのですか?
京谷:その他にもインフルエンサーマーケティングや、子会社が運営するアドネットワークの営業に携わりました。ですが、一番長かったのはアフィリエイトの担当です。
野崎:メディアとの向き合いがメインとのことで、現在の直接クライアントと向き合う仕事とは逆サイドになりますが、現在の仕事に活きている部分はありますか?
京谷:リスクヘッジと媒体との調整力は今も活きていると思います。特にリスクヘッジに関しては、アフィリエイト広告は成果のコミットメントが難しく、想定件数に達しないリスクを踏まえた件数をお伝えしていました。これは、現在提案するときも意識しています。